2017年11月18日土曜日

四つ溝柿 ~高級フルーツとカラスの餌の話~

「四つ溝柿」は、静岡県東部から神奈川県西部にかけて自生していた渋柿である。地域の固有種と云っても、柿の品種は、およそ1000種類もあるそうだから、特に自慢できる話では無い。


 四つ溝柿の名前の由来は、実の四方に溝のような窪みがあるところからきている。特徴は、細長くて小ぶりで種が無いこと、渋抜きをした後も実がしっかりしていて歯ごたえが良いことである。
 このあたりは、ちょっとした空き地や庭先に柿の木が植えてあって、ちょうど今の時期、一本の木に何百と実がなっている。特に今年は生り年のようで、鈴なりとはこういう状態のことを云うのだろう。
 僕の実家にも柿の木があって、世話など全然していないのに、毎年バケツ何杯分もの実を付けていた。甘柿だったら、ちゃんと世話をしなければ、美味しい柿には成らないだろうが、四つ溝柿は渋柿だから、渋抜きをすれば必ず甘くなるし、商品にしないのなら実を大きく育てる必要も無いから、これで十分である。

 渋抜きの方法は主に3つ。1つは、炭酸ガスを使う方法で、設備が必要だが一度に大量の渋抜きができるので、農家が出荷するときに使っている。もう1つは、密閉した容器に入れてお風呂の残り湯に漬けておく方法。そして、アルコールを使う方法である。お風呂の残り湯を使った方法は、温度管理が意外と難しいので、我が家ではアルコールを使って渋抜きをしていた。
 一般的には、焼酎を使うのだろうが、最近の焼酎は高アルコールの物が手に入り難いので、ウイスキーを使って抜いていた。一番安いトリスの一番小さい小瓶を買ってきて、ウイスキーをヘタのところにチョンって着けて、二重にしたビニール袋に入れて窓際に置いておくと、1週間ほどで食べ頃になる。食べ頃かどうかは、試食をして決めるのだが、ちゃんと抜けてるかどうか分からないので、ちょっとしたスリルである。
 一度、残り物のブランデーを使って、渋抜きをしたことがあって、この時は、袋を開けた途端、フワーッて良い香りが漂ってきて、高級感があった。

 渋抜きは、たいした手間では無いが、それでも、面倒だと思っている家などは、実がなっていても、ほったらかしにしていることも多くって、実が真っ赤に熟すと鳥がやってきていた。渋柿だから盗む奴もいなくって、まあ、カラスの餌を育てているようなものである。

 そんな柿の木であったが、家を改築するときに切ってしまった。

 山の手の方に行くと柿園があって、何軒かの農家が四つ溝柿を栽培している。農家の庭先には、無人スタンドがあって、小ぶりな物なら3個で100円とか、ちょっと良いやつならば4個で200円とかで売っていたから、よく買いに行った。ところが、金を払わずに持ってく奴とか、金を盗んでいく奴などが出てきた。やがて、四つ溝柿も少しずつ知られるようになり、県外の市場に出荷したり、農家がネットで販売するようになったこともあって、無人スタンドはどんどん無くなっていった。
 
 今では、スーパーマーケットの果物売り場で、地元特産品とか云って売られている。今日なんて4個で498円なんて値札がついていた。1個100円以上だ。普通の甘柿より高いではないか。もう買えない。
 で、そのスーパーの前には、空き地があって、隅の方に柿の木が植えてある。鈴なりに実がなっているが、誰も収穫する気配がないから、いずれカラスの餌になるであろう。まあ、柿の実はただ同然でも、収穫して、渋抜きして、市場に出して、仕入れて、パートのおばさんが店頭に並べる手間を考えれば、0円が100円になるのも致し方ないことなのかもしれない。

 首都圏にも出荷しているとのことだから、「紀ノ国屋」とか「成城石井」なんてところにも並べてもらっているのだろうか。「千疋屋」でパフェになって2000円とか云われたら、もう笑うしかない。
 でも、美味しいことは事実である。渋抜きをするとかなりの高糖度になって、それでいて、これだけ実がしっかりしている品種は珍しいみたいだし。
 
 身近すぎて見えない価値・・・まあ、よくある話であるが、なにぶんカラスが食べてるところを毎年見ていれば、これも致し方ないことかと。

 最後に一言。カラスが食べているのは、庭先の四つ溝柿であって、商品化されているのは、ちゃんとした果実園で栽培されているものですから、誤解の無いようw

2017年11月13日月曜日

エーリッヒ・ケストナー作「ふたりのロッテ」と「追憶のヒロイン」Wink

 「追憶のヒロイン」は、アニメ「わたしとわたし~ふたりのロッテ~」のエンディングテーマ(ED)である。OPとEDで両A面という扱いだったが、歌番組で2曲披露するわけにはいかないから、どちらかを選択しなければならない。で、どうやらこちらが選ばれたようだが、MVがOPしか作られていないところを見ると、この決定までには紆余曲折があったのかもしれない。
 ラテンのリズムは、ドイツ・オーストリアを舞台としたアニメ作品とはかけ離れているが、まあ、EDというのは、そういうものである。

 この楽曲はMVが無いものの、ライブ動画が多く撮られている。現在、最も視聴回数の多いのは、こちら。


 コンサートライブからのテイクのようである。で、ライブテイクは、もう1つある。


 実は、最初の動画はCD音源である。ライブ映像にCD音源を被せて、さらにライブ動画の方が短いものだから、別の映像を挟み込んで合わせたという力作だ。MVが無いのなら自分たちで作ってしまう、Winkファン恐るべしである。
 では、ライブ動画がそれほどまでにデキが悪いのかというと、そんなことは全然無くって、会場のかけ声や間奏のギターソロなんてイイ感じだし、何より、ちゃんと歌えている。
 そりゃあ、「あやや」のようにライブの方がCDより歌が上手いなんてことは無いが、彼女たちは、ちゃんと歌っているのである。それが、Winkの最大の魅力であって、僕だって、アイドルならば何でもイイわけでは無いのだ。



 アニメの原作「ふたりのロッテ」は、ドイツの児童文学作家エーリッヒ・ケストナーが1949年に発表した小説である。戦前、ケストナーは、反ナチ的な態度をとっていたので、発禁や焚書などの弾圧を受けていたが、投獄されることはなかったらしい。彼は国民的人気作家だったから、国民感情を考えると、当局も手荒なマネはできなかったのだろう。「ふたりのロッテ」は、ケストナーがナチスの弾圧から逃れるために偽名を使って書き上げた映画の脚本だった。地の文が現在形になっているのはそのためだ。映画の制作は当局に発覚して中止になったが、ナチスの迫害を受けながら、そして祖国が連合軍の無差別爆撃で焦土と化していく中で、双子の女の子が主人公で離婚がテーマの映画を作ろうなんて考えていたことに驚かされる。
 まあ、とにかく有名な話だから、読んだ人も多いはずだし、どんな小さな街の図書館にだって置いてあるだろうし、ブックオフへ行けば100円で手に入る。今さら、ネタバレのことなど気にする必要もないだろう。
             
 児童文学だから、本の裏表紙には対象年齢が書いてあって、小学校4年生以上だそうだ。これは、ロッテとルイーゼの設定年齢がもうすぐ10歳というところからきているのだと思う。主人公が自分と同年齢ならば感情移入がしやすいと云う教育的配慮だ。でも、感情移入という観点で云うならば、もう1つの対象年齢は25歳以上である。もちろん、パルフィー氏とケルナーへの感情移入を考慮してのことだ。
「ふたりのロッテ」を子どもの時に読まなかったことは不幸だが、子どもの時に読んだだけで終わってしまうのも、勿体ないことなのである。


 物語のタイトルは「ルイーゼとロッテ」でも良かったはずなのに、何故、「ふたりのロッテ」なのか。それは、物語の重要なアイテムであるツーショット写真がロッテの髪型だったからに他ならない。でも理由はそれだけでは無いと思う。物語の主人公は、明らかに「ロッテ」と云えるからだ。
 ルイーゼとロッテ、貧乏くじを引いたのはロッテである。ミュンヘンでは、シングルマザーのケルナーと共に「小さな主婦」として家庭を支えなければならなかったし、ウイーンでは、崩壊状態にあった家庭を再建し、父親の婚約者ゲルラッハ嬢と壮絶な女のバトルを繰り広げたあげく、病んでしまうからだ。可哀想過ぎる。これで脇役扱いだったら、「やってらんねえ」ってなるだろう。

 夏休みの林間学校で出会ったルイーゼとロッテは、お互いが生き別れた双子であることを知り、入れ替わって帰宅することを思い立つ。書評では「分かれた両親を仲直りさせるため」となっているが、これは間違っている。そんなことは、何処にも書かれてないし、ケストナー自身も、彼女たちもそんなことが出来るとは思ってないと書いているからだ。彼女たちが入れ替わったのは、もう片方の愛情を手に入れるためであり、子どもらしい冒険への憧れからに過ぎない。

 彼女たちの父親、パルフィー氏は作曲家であり、ウイーンの国立歌劇場の常任指揮者という設定だ。ということは、率いているのはウイーン・フィルってことか。凄すぎる。いくら小説でもやり過ぎだろうw
 若くして結婚したケルナー夫人は、家庭を顧みない夫と、双子の育児に疲れ果てていたが、夫の浮気の噂を耳にして離婚話を突きつけてしまう。若き音楽家パルフィー氏は、芸術家としてやっていけるかどうか、底無しの不安にさいなまれていたから一人の時間が欲しかった。まあ、離婚の理由としては上等だろう。で、こんな記述がある。感動の場面だから、引用させていただこう。
 ”新曲をひっさげたパルフィー氏がミュンヘンでコンサートを開くたび、ケルナーは、一番安いチケットを買う。そして、一番後ろの席にうつむきかげんに座り、分かれた元の夫の音楽から、この人が幸せになったわけでは無いことを聴き取る。成功しているのに。一人になれたのに。”
 ウイーン・フィルの演奏から、元の夫の心の内を聴き取るなんて、格好良すぎだ。YouTube動画を見比べて、こっちの方が「さっちん」が可愛い、なんてやってる自分が恥ずかしくなってくる。

 ルイーゼとロッテは、双子であるが、性格は正反対という設定になっている。双子は同じ遺伝子情報を持っているから性格も似るはずなのだが、育ってきた環境があまりにも違うからだ。
 だから環境を入れ替えたとき、補完が始まる。ミュンヘンのルイーゼは細やかな心遣いを身につけるし、ウイーンのロッテは子どもらしい明るさと行動力を獲得する。
 そして、大人たちも変わり始める。ロッテの小さな主婦としての健気な振る舞いによって、パルフィー氏は家庭の温もりを求めるようになるし、ルイーゼの屈託の無い明るさは、生活に追われていたケルナーに心のゆとりをもたらす。ガルミッシュへの1泊旅行。アイプ湖のホテルでのささやかな贅沢。

 パルフィー氏は、ロッテの目に溜めた涙から、手がけていた子ども向けのオペラ、「子どもの歌」をハ短調に転調するというインスピレーションを得るのだが、ロッテの想いは彼には届かない。
 では、パルフィー氏が酷い父親かというと、そんなことは無い。ロッテが熱にうかされているとき、氏は、一晩中枕元で見守っていた。しかし、その小さな頬を撫でた時、ロッテは無意識のうちに父の手を拒絶する。ロッテは父の手を知らずに育ってきたからだ。
”父親はそっと立ち上がり、人形を取り上げて、明かりを消すと、またベッドのそばに腰を下ろす。そうやって、暗がりの中、父親は子どもの代わりに、人形を撫でる。人形なら、父親の手にもビクッとしない。”
 父親とは憐れな生き物である。

 ロッテの宿敵、ゲルラッハ嬢は、ウイーンでホテルやレストランを経営する実業家の父を持ち、指揮者夫人というステータスを手に入れることを目論む心冷たい女性と描かれている。でも、パルフィー氏はバツイチの独身男性だから、彼女は悪いことをしてるわけではないし、相手が母親の愛情を知らずに育ったルイーゼだったら「勝手に再婚すれば」みたいな感じで、めでたく結婚できたはずだ。運が悪かったとしか云いようが無い。
 アニメでは、彼女のパルフィー氏を愛する心はホンモノだと描かれているし、悲しみにくれながらも潔く身を引く姿は格好良くもある。さらにアニメでは、ケルナーの職場の上司ベルナウ編集長がケルナーに密かな恋心を持っていることになっていて、パルフィー氏とケルナーが、そう簡単には、よりを戻せない状況にあるから、人物設定に関してはアニメの方がレベルが高いと云える。

 二人の入れ替わり生活は、偶然、雑誌社に送られてきた一枚の投稿写真、「ふたりのロッテ」でケルナーの知るところとなる。母親にかまをかけられて、ルイーゼが皿を落としてしまうところは、物語で最も有名な場面だろう。
 この先は、ひたすらベタな展開の連続だが、読者が望むところなので致し方ない。

 物語の最後、パルフィー氏のオペラは、ハ短調から、さらに変ホ長調に転調されて完成する。ベートーヴェンが生涯愛した変ホ長調で。


 アニメファンは、エヴァンゲリオンのアスカとレイのように、ルイーゼ派とロッテ派に分かれているそうだ。そういえば、Winkファンも「さっちん」派と「翔子」派に分かれていて、彼女にするなら右、結婚するなら左とか云われていたらしい。その言葉を借りれば、彼女にするならルイーゼ、結婚するならロッテとな・・・誤解を招くといけないのでやめておこう。

2017年11月11日土曜日

「イマージュな関係」Winkとアニソン考

 アニソンとは、云うまでも無くアニメーション番組の主題歌・挿入歌のことである。今では、音楽ジャンルの1つとして、確固たる地位を築いているが、昔からそうだったわけではない。アニソンの画期は、マクロスと飯島真理であると僕は考えている。マクロス以前とマクロス以後では、アニソンの概念が大きく変化したからだ。
 ならば、マクロス以前のアニソンが音楽的にツマラナイものだったのかと云うと、それは違う。主題歌は番組の顔だから、故冨田勲先生や故宮川泰氏のような一流の音楽家が手がけることも多かったし、時代を超えて存在する名曲もたくさんある。
 では、何が違うのか。それは、楽曲の独立性である。それまで作品と一体化していた主題歌が、1つの楽曲として存在する、あるいは、存在しても良いのだという認識が生まれたのが、マクロス以降のアニソンなのである。このことによって、いわゆるアーティストと呼ばれる者たちが楽曲を提供し、歌うようになっていった。若きシンガーソングライター飯島真理は、アニソン歌手というレッテルに苦しんでいたが、彼女の功績はあまりにも大きい。僕が子どもの頃は、アニメの主題歌がFM放送で流されたり、ちゃんとした歌番組で歌われるなんてことは、有り得なかったのである。

 アニソンは、アニメ作品との独立性・距離感によって、3つに分類される。Ⅰは、主人公の名や必殺技を連呼するタイプのもので「マジンガーZ」が好例である。Ⅱは、アニメのために作られたのだが楽曲にあまり作品感が無いもので「残酷な天使のテーゼ」など。Ⅲは、独立して存在していた楽曲を主題歌として採用したもので、極端な例だとジブリ映画「風立ちぬ」の「ひこうき雲」であろうか。
  また、エンディングテーマは、オープニングテーマとの対比で制作されるために、作品から一歩離れる傾向があり、バラード系が多いのが特徴だ。OP「宇宙戦艦ヤマト」はバリバリのカテゴリーⅠのアニソンだが、EDの「真っ赤なスカーフ」はカテゴリーⅡの、それも歌番組で披露しても全く違和感の無さそうなムード歌謡だった。
 
 今回、紹介させていただく「イマージュな関係」は、アニメ「わたしとわたし~二人のロッテ~」のオープニングテーマで、カテゴリーⅡに相当する。
 この楽曲は、Winkの13枚目のシングルとして、1991年12月にリリースされた。オリコン順位5位は、長く緩い下り坂にあったWinkにとっては、こんなところかなって感じだが、売り上げ14万枚弱は、この時期のWinkにしても健闘とは言い難い。アニメの主題歌というところが、裏目に出たのだろうか。
 このCDは、OP「イマージュな関係」とED「追憶のヒロイン」の両A面という扱いになっているが、タイトル名は、EDの方が先にあるし、歌番組でもこちらの方を歌っていたから、「追憶のヒロイン」が実質的なA面だったのだろう。しかし、相田翔子さんスタートの歌割りになっているのはOP「イマージュな関係」の方で、MVが作られたのもこちらである。


 歌詞の中に「もう一人の私」など、物語の内容を暗示するフレーズがあるものの、何も知らなければ、この楽曲がアニメの主題歌であると思うことはないだろう。もちろん、コード進行とか、キャッチーなサビとか、どことなく漂うアニソンっぽさは否定できないが、Winkが歌うことで、それらが格好良さへと昇華しているように思う。Winkがアニソンを歌ったと云うより、アニソンをWinkがカバーしたと云うべきであろう。
 楽曲の世界観は、ロッテとルイーザと云うよりも、彼女たちの両親、つまり大人の恋愛を描いているかのようだ。この曲をセルフカバーしての再結成なんてのも、アリに思えてくる。
 
 アニメ「わたしとわたし」について、僕は何も知らないが、素晴らしいファンサイトのおかげで、大まかな内容を把握することができる。有り難いファンというものは、どの世界にも存在するようだ。


 「わたしとわたし」は、1991年11月から1992年9月まで日本テレビ系で、土曜日の18:30から放送されていたようだ。放映期間は、ほぼ1年であるが、全29話と中途半端なのは、放送枠をプロ野球中継と共用していたからで、夏から秋にかけて、物語がクライマックスを迎えているのに、ジャイアンツ戦中継のために、5週連続で放送中止になったりしたらしい。

 原作は、映画の脚本として書かれたから、文庫本にすれば100ページほどの小説に過ぎない。だから、29話のアニメに構成するにあたって、オリジナルのエピソードでふくらめたり、人間関係をさらに複雑にしているのだが、それらは、原作の雰囲気を壊すこと無く、短編小説を見事に長編アニメ作品へと生まれ変わらせているのである。

 4分間の歌に合わせて、物語のあらすじをまとめてくれたPVである。大切なところは、だいたい出ているから、29話全部を見る時間の無い方にはお勧めである。


 児童文学アニメの名作とされ、再放送のリクエストも多いようだが、再放送やDVD化には、新たな著作権契約が必要らしい。著作権料を払うだけの売り上げが見込めないのなら、単なる金銭の問題であるが、親族が権利を相続している場合は、わずかな改作も認めないというケースも多い。ケストナーは1975年に亡くなっているから、著作権フリーとなる没後50年まであと8年だが、著作権法が改正されれば、もはや絶望的である。

 原作の考察とエンディング・テーマについては、次回ということで。

2017年11月3日金曜日

「Special To Me」Wink ~代々木体育館ライブとバレーボールの話~

 視聴したときから、不思議に思ってたんです。アルバム収録曲でシングルカットされたわけでもないのに、どこかで聴いたような気がして。


リンクでは不都合な場合はこちらを。


 Winkの「スペシャル・トゥ・ミー」は、「ボビー・コールドウェル」の「Special To Me」のカバーとのことですが、僕の記憶に残っているのは、あくまでも日本語の女声の歌です。
 で、聞き覚えがあった理由が分かりました。これって、1989年のワールドカップバレーボールの応援ソングだったんですね。バレーボールの中継が始まる時に流れていたのを聴いてたみたいです。Winkが歌ってたことなんて、完全に忘れてましたけど。

 リンクさせていただいた動画は、ライブビデオの映像にCD音源を組み合わせた作品です。映像が綺麗で、キョロキョロと動き回る鈴木早智子さんの瞳が劇的に可愛いです。前奏の部分で若干のズレがある以外は、違和感なく口パクしています。こんなに巧く被せられるものなんですね。
 貼り付け動画の方は、ポリスターからアップされているライブ動画です。低い音域が歌い難いみたいで、大分苦労していますけど、まあ、それなりに歌えてます。

 と、云うわけで、僕にとっての「スペシャル・トゥ・ミー」は、「ボビー・コールドウェル」でなくってWinkです。

 僕の住んでいるとこは、近くにVプレミアリーグのチームの本拠地があって、バレーボールには馴染みのある街です。近所のスーパーマーケットで2mの大男が買い物をしていれば目立ちますしね。

 テレビのバレー中継はよく見ていますし、生の試合を見に行ったことも2回ほどあります。普段テレビで見ている全日本レベルの選手たちの生試合は、迫力があります。地方の体育館ですからコートと観客席との距離がめちゃめちゃ近くって、サーブやアタック練習の時は、若手選手が観客席の前に立っているんですけど、それでもボールが飛び込んできます。ワンバウンドとは云え、年寄りに直撃すれば死ぬと思います。

 「清水」のアタックは、ホントに3枚ブロックをぶち抜いてきますし、「福澤」の滞空時間の長いスパイクも格好いいです。空中で止まるって、こう云うことかと。だから相手のブロックが我慢できずに降りちゃって、そこを打つから、全部ブロックアウトになるんですよ。まあ、第3セットくらいになれば、相手も修正してきますけど。それから、「ゴッツ石島」は正にムードメーカーでしたね。たいしたアタックもレシーブもしていないんですけど、彼がやると全てファインプレーに見えてくるから不思議です。
 でも、応援に使う棒風船はどうにかして欲しいですね。すごい音なんで、あれを叩かれると隣の人とも話が出来ません。その点、堺ブレイザーズの応援団は、ハリセンですから好感が持てます。ブレイザーズの「なおき」応援団長は、プロの芸人もやっていて、この世界では超有名な応援団長さんです。チームを盛り上げ、観客席を楽しませ、しっかり自分も目立つという、応援団長のプロです。ブレイザーズの応援団は本当に楽しそうです。


 なおき団長は、ブレイザーズの攻撃パターンを熟知しているので、レシーブがセッターに入った瞬間には、選手名が書かれたプラカードを持っていて、得点が入ったときに備えています。でも、プラカードを相手チームのブロッカーに見られたらマズいと思います。なおき団長の真骨頂はアウェイで発揮されます。ホームチームの大声援を巧みにかわしながらの応援は芸の域にあります。

 でも、肝心の試合は、外国人選手同士の打ち合いです。外人の成績=チームの成績ですから、こんなことでは全日本男子が再び世界に通用する日は、まだ先のようです。

 で、1989年のワールドカップバレーボールですけど、男女ともキューバが強かった時代のようです。女子だと「ルイス」(懐かしい)、男子では「デスパイネ」とか、アメリカの「ストブルトリック」(超懐かしい)の名前がありました。全日本男子監督の「中垣内」氏が世界デビューした大会で、大会のベスト・セッターが「眞鍋政義」氏と「中田久美」氏だったそうですから、ちょうど、現在、監督を務めている方々が、現役バリバリだった頃になります。

 応援ソング「Special To Me」は、この年の暮れに発売された3枚目のオリジナルアルバム「Twin Memories」に収録された楽曲です。ワールドカップは、11月7日に始まりましたが、その前日に行われた開会式では、Winkのコンサートが開催されています。今から、ちょうど28年前のことになります。

 今でも、日本で開催される大会では、ジャニーズなどのタレントが出てきて、相手国に申し訳ないほどの「超ホーム試合」を繰り広げますけど、まあ、昔から同じようなことをやってたわけです。

 この時のライブはYouTube動画で視聴できます。検索しますと「涙をみせないで」「Shining Star」「One Night In Heaven」「Remember Sweet」「淋しい熱帯魚」の5曲がありました。ところが、肝心の「Special To Me」がありません。応援ソングですから、歌っていないことは無いはずですけど・・。

 では、代々木ライブから「Remember Sweet」を。アルバム収録曲ですけど、明治チョコレートのCMで使われていたようですから、ご存じの方もいらしゃるかもしれません。


 音が体育館の鉄屋根に反響しているのでしょうか。グワァン・グワァン鳴ってます。他のテイクは、こんな風になっていないんで、動画には、会場の音を拾っているものと、そうでないものの2系統あるのかもしれません。
 でも、この音響大好きです。壮大な感じで、ビックになりましたっぽく聴こえます。デパートの屋上でキャンペーンイベントをしたら観客が5人だったなんてユニットが、たった一年間でここまできたかって思うと、感動すら覚えるテイクです。

 開会式のイベントですが、ちゃんとステージを組んでの本格ライブのようです。代々木第一体育館と云うと「あやや」の松クリスタルが思い起こされますけど、その15年前の話です。映像から判断すると、会場を横長に使って、ロイヤルボックスのあたりにステージを組んでいるように見えます。次の日から国際大会をするわけですから、アリーナには観客を入れてないと思います。
 1989年の11月というとWinkの超絶頂期です。代々木体育館とはいえ、客席として使えるのはスタンド席の半分だけでしょうから、もの凄い競争率だったと思います。

 1回限りのライブでこれだけのステージを組むのは、さすがバブル期です。ただ、カメラの位置が低くって、見上げるようなアングルばかりなんで、肝心の鈴木早智子さんが全然可愛く撮れていません。

 では、お終いにもう1つ。「Shining Star」は、作詞が「松本隆」氏となっていて、Winkには珍しい正統派アイドルソングです。 


 代々木体育館は、現在、東京オリンピックに向けて大改修中とのことです。外見はそのままのようですが、内部は全て建て替えるそうですから、きっと音響も改善されるのでしょう。

  前の記事で紹介させていただいた「ts」さんのご厚意により、代々木体育館ライブ「Special To Me」のテイクのリンクを貼らせていただけることになりました。聴いていただければ分かるように、いろんな意味で大変臨場感あふれるテイクです。


 歌唱的には、「Wink First Live」よりも上手く歌えているように思います。ただ可愛いだけじゃ無い、でもちゃんと可愛い、と云うWinkの魅力が伝わってきます。

2017年11月2日木曜日

Eテレ「ねほりんぱほりん」にみる南海キャンディーズ「山里亮太」氏のプロ・ツッコミ

 ついに始まりました「ねほりんぱほりん」シーズン2。

 シーズン1を再放送で見てからハマってしまい、この日が来るのを心待ちにしていました。ネットの世界では、有名な番組だったようですね。
 
 顔出しNGの訳ありゲストが、究極のモザイクであるブタの人形になって登場するという番組。生々しい再現映像もブタの人形劇になると、ひたすらユーモラスになります。
 前回、元少年院入所者がゲストだったんですけど、「暴力団の準構成員だったゲストが組を抜けようとして頭から灯油をかけられた」なんて話は、そのまま再現映像にしたら、かなり際どくなると思うんですけど、ブタの人形劇だったら何でもアリって感じです。

 僕のようにシーズン1を見損なっている視聴者に配慮して、再放送との交互放送になっているのも嬉しい限りです。

 で、この番組を面白くしている要素は2つ。1つは巧みな人形操作。これは、「ひょっこりひょうたん島」以来の伝統ですね。「ヒモと暮らす女」の放送で出てきた、ヒモ男役のブタは最高でしたよ。

      年収1500万円の女性がヒモと暮らすわけ【ねほりんぱほりん】

 NHKのオフィシャルチャンネルにあるダイジェスト動画です。詳しく知りたい方は、本放送を見てくださいってことですね。全放送録画もアップされますけど、視聴率を上げるためにも、ちゃんとNHKさんで見てあげましょう。

 それから、もう1つは、「山ちゃん」こと「山里亮太」氏のツッコミ芸です。

 僕は、お笑い番組が好きで、録画しておいて夕食時に見たりしています。「なんばグランド花月」や「新宿ルミネ」にも何回か行きました。僕の好きな芸風は、「ナイツ」とかの「微ツッコミ」と云われているものです。特に「キングオブコメディ」の大ファンでした。笑いすぎて息が出来なくなって死にそうになったことがあります。もちろん「山ちゃん」の芸風も好きです。
 関西の芸人さんには、「微ツッコミ」をする人って少ないように思います。南海キャンディーズは、関西の芸人さんのようですが、山里さんは千葉の出身です。男女のコンビというのは、過激なツッコミを芸風にしていることが多いのですが、これは、お笑いについて圧倒的なアドバンテージのある関西弁だから通用することです。関西弁は叫き散らしているだけでお笑いが成立しますけど、関東弁ではそうはいきません。「微ツッコミ」は、関東弁というハンディが生み出した1つの芸風に思います。

 山里亮太さんは、アイドルオタクとしても有名です。AKB劇場の関係者席にいて炎上したことがあるそうで、有名芸能人が関係者席という特権を行使するのは普通のことと思いますが、ネットの住人がそれを許さないのは、彼らにとって山里氏が「こっち側の人間」という認識があるからに他なりません。

 この番組は、「YOU」さんのテキトーなコメントと、「山ちゃん」のキャラクターと素人イジりの芸が、存分に発揮されています。

アニメと一体化する裏技「鼻イヤホン」【ねほりんぱほりん】

 離婚して娘の親権を取られた母親が、元の旦那がインスタグラムにアップしている我が子の写真を検索して成長を知るなんて話や、偽装キラキラ女子と2チャンネル特定班の攻防の話などを聞くと、ナルホドなぁ~って思います。まあ、どうでもいい話なんですけど。

 で、どんな際どい話でも、最後にはイイ話でまとめてくるところがEテレです。「ねほりんぱほりん」はNHKらしからぬ番組と云われていますが、この安心感こそが番組の命。「ねほりんぱほりん」は、教育テレビ深夜帯に最も相応しい番組といえます。

2017年10月29日日曜日

松浦亜弥とWinkと初音ミクが歌う「純愛ラプソディ」

 まあ、僕だけのせいでは無いのですが、このブログも黒潮のように大蛇行しております。で、松浦亜弥とWinkと初音ミクを同時に取り上げることができれば、問題も一気に解決!ということで、共通する楽曲を探してきました。

 「純愛ラプソディ」は、1994年5月10日にリリースされた竹内まりやさんの24枚目のシングル、説明は不要ですね。早速、Winkのテイクから貼り付けさせていただきます。


 早智子さんスタートの歌割りですね。この頃になると、歌唱力の差が実感できるように思いますが、だからと云って、相田さんだけで十分かと云うと、そうはなりません。デュオの魅力は重ねた声。人類が歌うことを始めた時、声を重ねるという魅力に気づくのに、時間はかからなかったと思います。
 持ち歌じゃありませんし、ちゃんとしたカバー曲でもありませんし、何より、個性的に歌い込むような二人ではありませんから、こんなものかなっていうところでしょうか。でも、この、何も足さないところが彼女たちの持ち味ですし、だからこそ、洋楽カバーも広く受け入れられたのだと思います。

 続いて、初音ミクのテイクになります。僕は、このテイクを聴いていて泣きそうになったんですよ。


 ネタ動画でスミマセンです。鈴木早智子さんと相田翔子さんがデュオで輝くように、ヲタクと共に有る時が、初音ミクが最も存在感を発揮するとき。お許しくださいw

 仙石線には、思い出があります。ずっと昔のことですけど、松島に行ってみたくなって、電車を乗り継いで出かけたことがありました。降りたのは仙石線の野蒜駅。そこは、ホームと小さな駅舎だけのローカル線の駅でした。一人、ダンプカーがひっきりなしに通る県道を歩きました。大高森の展望台から、ぼけーっと半日、海を見ていました。結局、その日は誰とも話をしなかった覚えがあります。
 動画には、仙石線の駅舎が登場します。野蒜駅も出てきますが、それは、僕が降り立った駅ではありませんでした。東日本大震災で、このあたりは津波にのみ込まれ、全てが無くなりました。復興した仙石線は、内陸側に新しく敷き直され、駅舎も別な場所に建てられました。駅舎が不自然に新しいのは、そのためです。
 屈託ない初音ミクの歌を聴きながら、そんなことを考えていたら不覚にも、というわけです。
 僕が野蒜駅に降り立ったは1983年2月4日のことです。何で分かるのかというと、当時持ち歩いていたフィールドノートにスケッチがあって日付が書き込まれていたからです。

 先ほどのWinkの動画のOAは、1994年12月24日(土)だそうです。何で分かるかというと、Wink調査部員「ts」さんの書き込みがあったからです。
 「ts」さんは、YouTubeのWink動画にOAの日付を書き込むというファン活動をされています。紅白歌合戦みたいな番組ならともかく、30年近くも昔の歌番組でOAされた日を特定するというのは簡単なことではありません。アップ主さんにしても、拾った動画の再アップとなると日付など分からなくなっていることも多いようですし。
 「ts」さんは、番組を特定し、衣装やステージセット、MC、ランキングなどからおおよその時期を予想、ザ・テレビジョンなどの雑誌のバックナンバーや縮刷版新聞のテレビ欄を調べて特定するとのことです。バックナンバーを手に入れるために古本屋巡りをしたり、図書館通いもされているようです。テレビ欄というのは、必ずしも出演者全員が掲載されているわけでは無いので、Winkの人気が低迷するに従って、出演しているはずなのに記載が無いことが多くなっていくとのことでした。
 まるで弥生土器の編年作業みたいですが、時系列で視聴していくと、同じ楽曲でも、歌い方や振り付けが少しずつ変化しているのが分かるそうですよ。
 で、1994年の映像ということは、「純愛ラプソディ」が、まだ新曲だった頃です。画面に映っている19というのは、1994年の年間ランキングが19位だったということでしょうか。

 では、松浦亜弥さんのテイクになります。2つのうちのどちらかですけど、聞き比べてみて、こっちに即決しました。マニアックライブの5番です。開催日って、7月の何日でしたっけ?


 マニアックライブの5番、しかも白い衣装の公演って、あまり声が出ていないという先入観があって、動画を見ることもあまり無かったんですけど、これは良いと思いました。確かに歌は、イッパイイッパイな気がしますが、かえってイイ感じに熱唱しているように聞えますし、何より、ノッてる感が伝わってきます。お台場のテイクは、声は出ているのかもしれませんけど、心此処に有らずみたいなところがありますからね。
 自在って云うんでしょうか、スロー気味のテンポで、思いつくまま、好きなように歌っているように思います。ソロ歌手と気の知れたバックバンドだからこそできるパフォーマンスなんでしょう。

 「純愛ラプソディ」って、それほど好きな曲では無かったんですけど、三者三様のテイクを聴きながら、やっぱり名曲なのかなって思うようになりました。
 
 とくに、まとめも無く今日はお終いです。もともと無理のある組み合わせでしたからねw

 でも、相田翔子さんと松浦亜弥さんが同じ事務所というのが、全然ピンときません。まあ、大所帯ですから顔を合わせることも無いのでしょうけど・・・失礼しました。松浦亜弥さんは解雇・・・移籍されたんでしたね。松浦亜弥とWink、4月に活動再開するのは、どっち?・・・も無いのかなぁ。

2017年10月22日日曜日

Wink(ウインク)「トゥインクル トゥインクル」~再始動は叶わぬ夢なのか~

 WinkのYouTube動画は半端なく多い。ファンの間では、Winkの動画は削除されないと云われているようで、松浦亜弥さんと妙な共通点を持っていて面白い。個々の動画の視聴回数では松浦亜弥さんの方が多いが、動画の総数ではWinkの方が多いかもしれない。
 それと、「淋しい熱帯魚」のイメージが、後の歌手活動の足かせになってしまったと嘆くファンが多くって、これも松浦亜弥さんとの共通点である。まあ、「淋しい熱帯魚」の方が「めっちゃホリデー」よりずっとマシだと思うが。

 今回、取り上げさせていただくのは、1994年にリリースされたWinkの21枚目のシングル「トゥインクル トゥインクル」。Winkのシングルは全部で25枚だそうだから、作品としては最後期にあたる。
 作詞は「秋元康」、作曲・編曲は「ジェイムス下地」で、楽曲は、東京シティー競馬「トゥインクルレース」のCMソングに採用され、関東圏ではよく流されていたそうだが、CDの売り上げには、あまり結びつかなかったようである。
 それが、今年、「オリエンタルラジオ」と「ローラ」をイメージキャラクターに採用し、「相田翔子」さんのセルフカバー「Twinkle Twinkle 2017」として23年ぶりに復活したそうである。


 東京シティー競馬(TCK)は、地方競馬とはいえ東京23区が運営しているだけあって規模も大きく、CMに関してはJRAよりもセンスが良いかもしれない。僕は学生時代に、競馬場でアルバイトをしていたのだが・・・、その話は、今日はやめておこう。
 で、ビデオの中には、明らかにWinkをイメージした2人組のユニットが出てくる。一人かと思わせておいて後ろからもう一人、しかも向かって左側に現れるという演出が何とも意味深である。
 
 1994年当時のライブテイクは、これ。会場のファンが叫ぶ、ヤケ気味のPPPHが遠くから聞こえてくる。


 世間的には、Winkってまだやってたの、って頃だと思う。鈴木早智子さんがチーママっぽくなっているが、全然イケてると思うし、楽曲のイメージには、むしろ、こっちの方が合っている。

 歌っている時に限らず、演説でも演劇でも、演者が何処を見ているかって云うのは大事なことだ。この点で云えば、「あやや」というのは全く凄くって、彼女はデビュー間もない頃から視線が定まっている。彼女が観客を一人一人見ながら歌っていることは確実で、観客席のファンからすれば、ステージ上のアイドルと視線が合うってことは、この上も無い喜びなわけだから、「あやや」は、正に天性のアイドルなのである。
 そういう観点で云うと、Winkの二人は、アイドルとして合格点をあげられるものではない。口パクで愛想を振りまくことだけに専念している今時のアイドルは論外であるが、相田翔子さんは視線が完全に遠くに飛んでしまっているし、鈴木早智子さんの視線は明らかに泳いでいる。
 ところが、動画では、この早智子さんのクルクル動き回る瞳が、何とも可愛く思えるから不思議なものである。

  次は、相田翔子さん47歳のライブテイク。今年の6月に大井競馬場で開催されたイベントだそうだが、生で見たと云うファンの書き込みによると、正に奇跡のステージだったらしい。


 相田さんのマイクの持ち手が定まらないのが面白い。Wink時代、向かって右にいた相田さんは、振りに合わせてマイクを持ち変えることが多かったから、23年たってもその癖が抜けないのだろう。
 野外イベントのライブってのは、最高に歌い難い場だと思うのだが、リアルタイムで、このパフォーマンスは確かに奇跡だ。これで、再結成を期待しない方が無理というものだろう。8月に出た再結成報道は、明らかなフライングだったが、そんな期待が判断を誤らせたと云える。
 ホントに、この場に鈴木早智子さんがいないことが、残念でならない。ステージ裏から、二人で登場したときのインパクトを想像するだけでワクワクする。鈴木早智子の容姿とか歌唱力とかが、いかに劣化していようと、そんなことはどうでもいい。「トゥインクル トゥインクル」はWinkの楽曲だし、相田翔子と鈴木早智子がWinkだからだ。それ以上の理由など必要ないだろう。

 8月の報道を境に、相田さんの発言も変わる。それ以前は、「いつかまたやりたい」みたいなことを言ってたのに、一転して、慎重な言い方になってしまった。それでいて、二人が不仲で無いことをやたらと強調したりする。
 相田翔子さんは、「(再結成の)この話が2人の(早智子の)プレッシャーになっても困るから(そっとしておいて欲しい)」とも語っていた。再結成して欲しいと云うのは簡単だが、一度止まってしまったエンジンを掛け直すのには、想像以上のエネルギーが必要なのだろう。

 お終いは、フルコーラスで聴きたいという方のために、こちらのMVを。

 Winkの歌割りは、まず相田さんが歌って、それから早智子さんへという流れが定型になっている。早智子ファンからすれば、この「来るぞ・来るぞ」っていう妙な期待感が堪えられないようだ。


  やはり、再始動の話はあったのだ。それもかなり具体的に進んでいたのではないだろうか。それが突然消えてしまった。理由は分からないが、鈴木早智子が人前に出てこられない事情があったとしか思えない。悲しいことだがこれが現実ではないだろうか。だとすれば、もう再結成は有り得ない。

 もはや、相田翔子が歌っても、次に鈴木早智子が歌うことは無いのだ。

 再始動は叶わぬ夢・・・だったのか。