2015年3月31日火曜日

松浦亜弥 「100回のKISS」

「LOVE涙色」と「桃色片想い」の両ヒット曲の間にリリースされた4枚目のシングル「100回のKISS」。この曲が彼女の実質的なファーストソングであることは、ご存じの通りですが、アイドルソングとしては、かなり地味なのでCDは、さほど売れなかったようですし、PVの再生回数も、「桃色」や「めっちゃ」などと比べるとかなり少なく50万回にも届いていません。
 でもこの曲、バージョンもいくつかありますし、どのテイクもその時々の彼女に似合っていると思うんです。可愛く歌うも良し、想いを込めまくって歌うもまた良しです。

 そういえば彼女、何かのインタビューで、この曲の2番の歌詞が好きだと云ってました。

 2番の歌詞の作り方っていろいろありますよね。普通に物語の続きを書いたり、陰と陽で対比させたり、手抜きっぽいのは、1番の歌詞を一部だけ差し替えただけのとか・・・、で、中には、全然違う話になってるのもあります。そういえば昔、2番の歌詞だけ見せて歌の題名を当てるというクイズがありましたが、意外と難しくて面白かったです。
 つんく♂氏の2番って、苦し紛れに書いたようなものも多いんですが、結構おもしろいものもあるんですよね。あるあるネタみたいなやつとかww

 で、「100KISS」の2番の歌詞は、姫路から上京してきた女の子「あやや」のイメージと重なって、彼女の歌を聴いていると、何だか遙か昔に忘れてしまった、青春の気分にさせてくれるんですw。だから、僕もこの曲の2番とあややの2番の歌い方が大好きです。

 マニアックライブⅤでサプライズの後、歌詞カードの用意もないのに、ラストソングとして「100回のKiss」を即決しました。僕はそんなところからも、彼女がこの歌に対する想いをみたような気がします。
 「100回のKISS」は、一生歌い続けて欲しい曲ですし、一生歌い続けてくれる曲だと思います。


 素敵な動画がたくさんある中で、今回は、あえてこの1つだけ。可愛らしさと切なさと、そして意思の強さが伝わってくる「松リングPINK」のテイクです。


2015年3月29日日曜日

初音ミク 「ミクの日感謝祭」

 今回の投稿は、調べたことを基に自分なりの解釈を加えたものです。もし、事実を誤認しているところがありましたら、ご指摘していただければありがたいです。


 2009年夏、初音ミクの最初のライブ「ミクFES'09」が開催されました。それは、バーチャルな世界だけで完結していた音楽活動を、リアルな場でも実現したいという、いわば当然の欲求によるものでした。ライブでは、楽曲の制作者が、自らバンドを率いて,あるいはミュージシャンのサポートを受けてステージに上がりました。ですから、あくまでも楽曲がメイン。ミクのCGは、ライブを盛り上げるための演出として用意されたものでした。

 そして翌2010年、半年の準備期間を経て「ミクの日感謝祭」が開催されます。楽曲を制作したボカロP、CGを制作したセガのクリエーター、伴奏を担当するプロのミュージシャン、そして会場のヲタクたち、その4者が作りあげた本格的ライブは、広く公開され、世間に知られることとなります。


 ステージに設置された透過型スクリーンDILADボード、上下2段に積まれた高解像度レーザープロジェクターと、それによって背面から映し出されるバーチャルアイドル、生のロックバンドと会場を埋めサイリュームを振る観衆。この衝撃的なライブの様子は、YouTube等で世界中に公開されていきました。制作サイドは、この動画の削除要請を見送りますが、これは動画の海外に向けての宣伝効果を期待したためと言われています。現在、ネット上にある2010年のライブ動画のほとんどは、この時流出した動画を世界中のヲタクたちが、それぞれの国で再アップしたものだと思われます。
                              
 このテイクで、もう1つ特徴的なのは、ゲストプレイヤーの存在です。楽曲の制作者がステージに上がって共演するという、他のアーティストのライブでは見られないこの演出から、初期のライブでは、この曲を誰が作ったのかということが重要視されていたことが分かります。

 ところが日本でのマスコミの取り上げ方は、何とも残念なものでした。「人間関係が築けずバーチャルに傾倒している若者」だと。確かに彼らは、スクリーンに向かって、愛してるなどと叫んだりしていますが、それがウケ狙いであることは明らかですし、そもそもライブが開かれた目的を考えれば、彼らは、決して「理解不能な若者たち」でも「日本の将来を危惧させる存在」でもなかったはずです。

 しかし、これ以降、ライブの主役は楽曲から、初音ミクのキャラクターに移っていきます。ゲームソフトの発売をきっかけにして、ファン層は、下は小学生まで一気に拡大し、初音ミクは、楽曲の発表ツールからバーチャルアイドルとしての側面が強調されていきました。

 それは、初音ミクにとっては、新たな可能性の追求への幕開けでしたが、誕生以来、自分たちが初音ミクを育ててきたのだという自負を持つ、初期のヲタクたちにとっては、熱い時代の終わりを告げるものでした。

 最後に、貼り付けさせていただいたのは、「Y to Y」。ミクのファンでない方にも聴いていただきたい、ボーカロイドに歌わせておくのは、もったいないような楽曲ですww。

   



2015年3月28日土曜日

松浦亜弥 「あなたに逢いたくて」

 松浦さんのライブには、必ず譜面台が置いてありますが、これ、結構ガン見してます。彼女は、アイドル時代から歌詞とばしで有名でしたよね。まあ、ノリで言葉を繋いでるような、つんく♂氏の詞では間違えてしまうのも無理はありませんが、持ち歌を覚えないのは困ったものですw。

 で、譜面台にあるのは、楽譜ではなく歌詞カード。どうやら彼女は楽譜を読めない(失礼しました)読まないようです。おそらくメロディーは、全て耳コピで覚えているんでしょう。そして、そっちは忘れないし、間違えない。

 そう考えると彼女のカバー曲がどことなくオリジナルの雰囲気を持っていることの理由も分かります。彼女は、オリジナルの歌唱を丸ごとインプットしている。つまり、松田聖子の「あなたに逢いたくて」という曲をカバーしているのでなく、「あなたに逢いたくてを歌っている松田聖子」をカバーしているというわけです。もちろん、そのままアウトプットしたらただの物真似ですから、松浦亜弥のフィルターを通してですけど。

   
 マニアックライブⅡで歌ったこの曲は、数ある彼女のカバーの中でも代表的なものだと思います。そして、この曲を聴いてもらった多くの人が同じ質問をするんです。「これ、松田聖子とどっちが上手いの?」って。これ、何を意味しているのかというと、比べたくなるくらい、みんなの頭の中にある聖子ちゃんのイメージと似ているってことなんですよ。実際聴き比べてみれば、全然別物なので、間違えることなどないんですが・・・。

 「オリジナルとの絶妙な距離感」彼女のカバー曲が好まれて視聴されるという現実を理解するためのキーワードの1つになるのではないかと思います。

2015年3月27日金曜日

The39's ~上手すぎるバックバンド~

 「The39's」(ザ・サンクス)は、音楽プロデューサー安部潤氏が率いる、安部潤(Keys)、黒田晃年(G)、田中晋吾(B)、折田新(Dr)の4名からなる、初音ミクのバックバンドです。

 貼り付けさせていただいた動画は、2010年 Zepp Tokyoから「Dear Cocoa Girls」。
 この動画で注目したいのは、ベースの田中晋吾氏。田中氏はT-SQUAREのサポートベーシストも務めるミュージシャンです。
 動画の方は、一言で云えば、ふざけた動画です。水着姿のCGに向かって、男たちが奇声を上げています。しかし、余計なことに気をとられることなく、あくまでもベースの演奏に集中してくださいw。

 もう一つ。最初の20秒は無視してくださいww。

                 
 いかがでしたか、このテイクは、特別凄い演奏ではないのですが、アップテンポのアイドルソングを見事にサポートしていると思います。五弦ベースを巧みに操り、合間に挟む小技のアドリブ、余計なパフォーマンスをすることなく演奏に徹する姿勢、どんな楽曲にも対応できる、仕事を選ばぬ、正に職人です。

 では、上手すぎるバックバンド「The39's」の演奏をもう1曲。同ライブから「Moon」です。

                 
 当然のことですが、初音ミクは、伴奏に合わせて歌いません。人間同士なら、お互いにフォローしあうこともできるでしょうが、このライブでは、伴奏者がミクに合わせるしかありません。そういうプレッシャーの中でこれだけ余裕のある演奏ができるのですから、黒田氏、田中氏らの個々のレベルがいかに高いかが、お分かりいただけると思います。彼ら「The39's」の演奏を聴くだけでも、十分お金を払う価値があると思います。

 最後は、2014年MATSURI DA DIVAから「エンヴィ キャットウォーク」。完全にヲタクさんたちが置いてきぼりですねww。


 初音ミクのバックバンドは、ライブごとに変わります。「The39's」は、セガが主催するライブのバックバンドです。現在のマジカルミライは、主催者が異なりますので、「The39's」が伴奏を担当することはありません。しかし、今年のマジカルミライは武道館公演、彼らを出せとは言いませんが、彼らに匹敵する一流のミュージシャンに担当してもらいたいものです。

2015年3月26日木曜日

松浦亜弥 「横浜ロンド」

 松浦亜弥さん、直近の代表作といえば、名曲「dearest.」、竹内まりあ先生の「Subject:さようなら」そして「横浜ロンド」といったところでしょうか。
 ところが前の2曲と違って「横浜ロンド」って、ほとんどライブで歌わないんですよね。コットンクラブでも歌ってないようですし、ですから、YouTubeの動画は、僕の知っている限りで、公式PVとマニアックライブⅣの2本しかありません。両方合わせても、視聴回数はそう多くないので、他の曲と比べて世間的には、さらに知られてないのではないでしょうか。
 
 ですから貼り付ける動画は、二者択一なんですけど、結構悩みました。いつもは、ライブ動画で決まりなんですけど、PVの哀しげなピアノの音とか、コート姿で雨に濡れる松浦さんの姿がとても素敵なんで・・・、


 実は、最初の頃は「YOKOHAMA SING A SONG」とごちゃ混ぜになっていて、この曲をちゃんと意識したのは、尊敬するSunshine Moonlightさんがマイベストで1位に上げてからなんですよ。
 で、「dearest.」は少し大げさなところがあるし、「Subject:」は、ちょっとわざとらしさを感じちゃいますが、「ロンド」は、本当に等身大のバラードに仕上がっていると思います。
 哀しくて、切なくて、ちょっとオシャレで、寂しくて、かわいくて・・・。

 此の手の曲って、他のアーティストでは、アルバムに収録することはあっても、ライブで歌って似合うことってなかなかないと思います。だって、可愛いくて美人な歌い手さんでないと・・・。

 でも、別に可愛く歌ってと要求しているんじゃないんです。普通に歌ってくれれば良いんです。勝手に僕が大人の可愛らしさを感じているだけなんですから。

 やっぱり、こっちも貼り付けますwww


      

2015年3月24日火曜日

初音ミク「メルト」と黒田晃年

 メルト。

  初音ミクによる最初のJ-POPヒット曲。初音ミクのキャラクターに依存しない、普通の楽曲の成功は、その後のN次創作や「歌ってみた」動画を誘発し、「メルトショック」と呼ばれる現象を引き起こします。初音ミクは、特殊ではなく、一人?のシンガーとして、扱って良いんだということを示した記念すべき1曲です。

 ・・と、ミクを誕生から順に見てきたファンにすればそういうことでしょうが、新参者で、逆に歴史を辿っている僕にとっては、キャラクターソングというジャンルが成立したという、そっちの方が凄いと思いますww。でも、ミクにとって「メルト」が大切な曲であることに変わりはありません。

 で、いくつかのテイクの中で選ぶとすれば、やはり、2010年3月9日、Zepp Tokyoでしょうね。視聴回数も140万回を越え、定番中の定番です。ミクのライブを紹介するときにもよく使われていますが、アレンジとしては、変則的というか・・・、メルトの間奏ってこんなでしたっけ?


 アンコール曲で、アドリブ入れまくり。でもこれが本物のライブの醍醐味なんですよね。昔、ディープパープルのライブ録音盤のアルバムを聴いた後でスタジオ録音盤を聴いたとき、そのあまりの物足りなさにがっかりした記憶があります。
 
 注目は何と云ってもギタリスト黒田晃年氏。スタジオミュージシャン、そして、「メルト」を別物にしてしまった張本人ですw。デモ演奏の動画がありました。


 さすがですね。2010年のライブが伝説のライブと呼ばれる所以です。インタビュー記事によると、子どもの頃から、バンドよりも技術だけで勝負できるスタジオミュージシャンになりたいと思っていたそうです。松浦さんのライブでバンマスを務める菊池真義氏もそうなんですが、こういう一流のミュージシャンが支えてくれるからこそ,ライブのレベルが保てるのでしょう。

 初音ミクは、コンピュータミュージックです。ですから全てをコンピュータに任せても良かったはずです。でも、初音ミクのライブが生バンド伴奏だったからこそ、僕はライブに行こうと思ったんです。
彼らがいなければミクのライブは、ただのイベントになっていたことでしょう。

インタビュー記事です。

僕にとって音楽学校は仕事につなげてくれた師匠と出会った場所

初音ミク関係無しでライブに行きたくなりましたw。

2015年3月23日月曜日

松浦亜弥 「みずいろの雨」

 まずは、松浦亜弥さんです。以前あった動画は、再生数も多く、コメントもたくさん寄せられていたのですが、削除されてしまいました。その後、magoさんが再アップしてくださったものです。あっという間にアクセス12万回越えです。人気がありますね。

   
 続いて御本家、八神純子さんです。現在57歳、さすがに最近は、声量も落ち気味のようで、やたらエコーを効かせているテイクが多くて・・・、比較しやすいテイクをいろいろと探したのですが・・・1995年だそうです。さすがですね、期待通りです。

                   
  歌が上手い、という言葉の中には、様々な要素が含まれていると思います。その中で、僕のような素人でも分かるのは、声量です。歌唱力=大声という訳ではありませんが、秋川雅史さんのように朗々と歌い上げられると、上手いんだろうなと思わざるを得ません。
  もう一つは、表現力ですよね。感情を込めた歌い方というか・・森進一さんが涙を流しながら「おふくろさん」を歌う姿は、完全に芸の域です。

 で、この2つのテイクを比べて、皆さんどう思われますか。僕は、以前YouTubeのコメント欄に「八神純子は声を聴かせ、松浦亜弥は歌を聴かせる」って書いたんです。たまたま思いついただけで深い意味などなかったんですが、なんか松浦さんの肩を持ってると思われちゃったみたいで・・・。そんなつもりはないんですよ。だって、秋川雅史さんみたいって言うのと、森進一さんみたいって言うのと、どっちが褒めたことになるかなんて決められないですよねww

 で、全体の印象としては、松浦さんの方があっさりしているように思います。ここが彼女のカバーの最大の特徴です。ですから、比べてしまうと八神さんの方は、ねちっこく感じます。では感情は、八神さんの方がこもっているのかというと、八神さんのねちっこさは、歌詞に関わらず全体にありますから、これは、感情というよりは、歌い方の個性といった方が良いかもしれません。
 松浦さんの方は、あっさりしている中に、ちょいちょいと小技を織り交ぜてきます。歌詞に合わせて、身振りとか仕草なども使って。さすが見られるのが商売の元?アイドル、歌うだけで精一杯になってしまいそうなこんな曲でも、歌っている自分の姿を演出しています。まあ、こういうのは、八神さんには全く必要のない要素ですね。あっピアノ弾いてるからもともと無理か。

 で、一番の聴き所は、やっぱりサビですよね。声の張り上げ合いでは、イメージ的にも八神さんでしょう。八神さんは「八神純子=声量豊かな歌手」という世間の期待に応えなくてならないわけで、ここで負けるわけにはいきません。ただ、明らかに松浦さんの方がエコーが少ないので、単純に勝負あり、とは云えません。

 やっぱり、松浦さんの肩を持ってるって? ですから、それは誤解ですってwww

2015年3月22日日曜日

初音ミク Tell Your World

 ライブ動画派の僕としては、異例なことですがw、貼り付けさせていただいたのはMVです。
とても良くできています。この4分間のMVは初音ミクのPVでもあり、初音ミクとは何かという問いに、明快に答えています。


 この曲を初めて聞いたのは、もちろんグーグルのCMソングとしてでした。最初、初音ミクだとは思わなくて、人間の歌手が声を加工しているんだと思ってましたw。一度聞いただけで忘れないフレーズ、歌詞もGoogle Chromeにぴったりで、良くできたCMソングだなあと感心したのを覚えています。

 最後のEveryone Creatorという言葉が全てを表していると思いますが、初音ミクが出てからの2・3年は、多くの者がこの言葉を信じていたし、少なくとも、信じてみようかなという気分になっていたと思います。

 実は遠い昔、同じような気分にさせてくれた時期がありました。ヤマハポピュラーソングコンテストです。このアマチュアが出場する自作自演のコンテストは、多くのアーチストを世に送り出しました。中島みゆき、長渕剛、チャゲ&飛鳥、千住明・・・。でも、全然敷居が高くなくて、僕の住んでいる小さな町だって、地区予選のそのまた地区予選がありましたから、本当に誰でも出場できたんです。

 でもやっぱり、上に行くには、それなりの歌唱力や演奏技能が必要でしたし、第一、人前で歌う度胸がなくては始まりません。初音ミクが画期的だったのは、それらを彼女が肩代わりしてくれたからです。
 熱い想いがあって、気の利いたフレーズを思い浮かべることができたなら、彼女が歌い、作曲支援ソフトが伴奏を付けてくれる。ニコニコ動画に投稿すれば、聴いてくれて、評価してくれる奴らがいる。さらには画を付ける奴、歌う奴、踊る奴、歌詞を深読みして小説を書く奴まで・・・、多くのヲタクたちが夢を見たのも当然のことです。
 
 現在、ボカロPと呼ばれる彼らだって、ミクがいなければ、ただの「音楽が好きなヲタクのお兄ちゃん」として一生を過ごしたかもしれません。ですから、謳い文句は少なくとも嘘ではなかったんです。Everyoneというわけにはいかなかったけれど・・・。

            

 で、やっぱりライブ動画も、ということで選んだのはこれ。決め手は、ベトナム語の字幕がついていること。世界中のヲタクたちが日本語のミクの歌を聴いて、それぞれの母国語の字幕を付けているんです。そして、ローマ字のカラオケ字幕を使って、日本語で歌っている。
 素敵なことだと思いませんか。

2015年3月21日土曜日

槇原敬之のLOVE LETTER、ボーカロイドと松浦亜弥の意外な接点

 もう一つ、旅立ちのシーズンにぴったりの歌を・・・。

 剣持秀紀氏の著書「ボーカロイド技術論」に、ボーカロイドのファーストソングが槇原敬之氏の「LOVE LETTER」であることが書いてありました。2001年5月、社内プレゼンテーションで、開発中のボーカロイドにデモソングとして歌わせたそうで、初音ミクが発売される6年前のことです。エディタがまだ完成してなかったためハードコーディングとなり、かなり苦労されたようで、一曲全部歌わせることができなかったとありました。
 1996年にリリースされたこの曲が、何で選ばれたのかは分かりませんが、最初のボーカロイドは、男声だったということでしょうか。

 で、当時のボーカロイドの歌など探しようがありませんので、せめて槇原氏のテイクを、と思ってYouTubeで検索してみましたが、すぐ削除されちゃうみたいでほとんど残っていません。ってそれが普通ですよねww。
 
 で、何故か削除されない2005年日本武道館ライブからです。さすが槇原氏、モテない男のラブソングを作らせたら右に出る者はいません。
 
 えっ消えてしまいましたよw。まさか僕のせいではありませんよね。仕方ありません。・・・・これも消えたら完全に僕のせいですよね。


                                       
実はこの曲、松浦亜弥さんも歌っています。2010年のSTBライブといわれるテイクです。なぜ彼女がこの曲を選んだのか、当時ライブに参戦された方に、歌う前後の様子を聞くことができれば分かると思うのですが、まあ、選曲に深い理由などないかもしれません。YouTubeの動画は、いわゆるヤバイやつ、ここに貼り付けない理由も、お分かりかと・・・って思いましたが、公開から5年たってもほったらかし、今更隠すものでもないので・・・。


 これ、別な意味でもヤバイです。夜、一人でヘッドフォンかけて聴いてたら、頬を伝わるものがあるんです。まさかこの歳になって歌を聴きながら泣くなんて思いもしませんでした。
 カセットテープは渡せても手紙は渡せなかったこと、別れの時に取り巻きの外側に立ってしまったこと、何であの時、あの一言が・・。想いを伝えるということに、臆病になってしまうヲタクたちの心を代弁してくれるこの曲。そして、切ない男心を歌い上げる松浦亜弥という歌手。僕は、この最悪な録音状態の静止画を何度もリピートしていました。

 この曲のテーマは「伝えられなかった想い」。そう考えるとこの曲がヤマハの技術者たちに選ばれた理由も分かるような気がします。伝えるというのは、ボーカロイドの重要なテーマの一つ。熱いメッセージを持っていたところで、それを伝える術も、度胸もないオタクたちが、初音ミクに飛び付いたのは、彼らが自分たちの代弁者を求めていたからに他なりません。
 
 と、話が最初に戻ったところで、お終いです。

2015年3月20日金曜日

松浦亜弥「笑顔に涙」

 卒業式のシーズンということで、安易な話題設定ですけど、まずは、FIRSTコンサートツアーファイナル、国際フォーラムのアンコールから。 


                      

 卒業ソングというと、やたら桜の花びらを散らしたがるシットリ系の歌が多いので、「笑顔に涙」みたいに、明るくて前向きな卒業ソングは貴重な存在ですし、このテイクのように、実生活でも中学校を卒業したばかりの「あやや」が歌うと尚一層輝いています。
 彼女、何かのインタビューで中学校の卒業式は寝ていた、と答えていましたが、桃色片想いのリリース直後で、ブレーク中のアイドルにとって、中学校の卒業式などは、絶好の睡眠時間確保の場だったのでしょう。
 この曲、YouTubeでは、様々なライブのテイクがアップされているんですが、やっぱり、これでしょう。このテイクを初めて見たとき、「桜田淳子!」って思いましたww。どう見ても昭和ですよ。アンコールで、こんな風に歌われて、「またコンサート来てね~♡」なんて言われたら・・そりゃ行きますよ。

 で、ファンの方ならご存じだと思いますが、これを歌う前、あややは延々と10分近くしゃべっています。「故郷の、姫路を出てきて早2年・・・」とか言って、少年の主張を始めるんです。ヲタクたちがザワついていると、「ちゃんと聴け」って感じで黙らせて・・、伝説のMCってやつですww。

 この延々と続くMCをカットもせずにDVDに収録した制作サイドも制作サイドですが、だいたい、アイドルのライブなんて、飢えたオオカミの目の前で子羊をステージに上げているようなもの、その子羊ちゃんが目の前の5000匹のオオカミにお預けさせて、黙らせちゃったんですから、度胸があると云うか、怖いもの知らずと云うか、たいした15歳です。こういう一種のカリスマ性っていうのは、やはり生まれ持ったものなのでしょう。

  次は、2003年秋のライブから。17歳にしてこの余裕。女の子って1年半でこんなにも変わっちゃうんですね。普通に歌うだけなら70%で十分。2番からはフレーズごとに、歌い方を変えて遊び始める。それでいて、ピッチが崩れるわけでもなく、ファンへのレスも忘れない。このテイクを初めて見たときは、「美空ひばり!」って思いました。どれも例えが古くて申し訳ないのですが、彼女の場合、そこまで遡らなくては例えられないんですよ。

               
 最後は、マニアックライブⅣから。大人になった松浦さんて、バラードも良いけれど、こういう明るくて軽い曲が一番似合うのかもしれません。大人が可愛らしさで勝負できるって、貴重な存在だと思います。このテイクを見たときは・・・やめときます。ネタが尽きましたw。

                     

2015年3月19日木曜日

松浦亜弥歌うまいベスト

「松浦亜弥歌うまいベストVOL6 カバー曲集」がアクセス80万回になろうとしています。YouTubeで「松浦亜弥」って検索すると、「桃色片想い」のPVを差し置いて一番上にくるやつです。自慢しますけど、あれ一応、僕のなんです。だから曲を入れ替えたり、順番を変えたりするのって僕の自由にできるんですけど、ここまでくると怖くてできませんww。
 VOL6という表示からお分かりかと思いますが、シリーズになっていて、全部で20番まであります。でも6番だけが異常に突出しているんですよね。これがネットの「極端に振れる」という特徴なんでしょうか。

 今は、編集機能がなくなってしまったので、新しいリストを作る意欲もなくなり気味なんですが、ファンになりたての頃、見つけた動画を仕分けして置いてたのが始まりでした。トークの部分とか、歌い終わった後の「ありがとう」なんかをカットして、BGMとして連続して聴けるようにしたかったんです。だって、一曲終わる度にいちいち「ありがとう」って言われても鬱陶しいですからね。
 松浦亜弥だけでは、同名のリストがたくさんあるので、どこからでも検索しやすいように何かを後ろに付けようと、とっさにひらめいたのが「歌うまいベスト」でした。何でも良かったんです。「歌上手いベスト」と「歌うマイベスト」が掛詞になっているのだって、後から気づいたんですから。

 6番は作った頃から他とは違ってました。自分では聴いてないのにいつの間にか視聴回数が増えてるんです。そのうち「イイね」が付いたりして。(あの頃は、動画だけでなくリストにも付けられたんです。)それならば、自分以外の方に使われているのを意識してまとめてみようと考えました。コメントを付けはじめたのもそれからです。

 アクセス数は、最初の1ヶ月で1000回、4ヶ月で1万回、10ヶ月で10万回ぐらいだったと思います。昨年11月のYahooトップ騒動の時は、一晩で20万回でしたよww。80万回=80万人でもありませんし、松浦亜弥さんの魅力は、カバー曲だけではありませんが、それでもたくさんの人に彼女の歌を聴いてもらえてるのは嬉しいです。

 今は、時々見回って、削除された動画があると差し替えたりして、森の木の番人みたいな活動をしています。


 再生リストの貼り付け方が分かりませんwww。URLは、

https://www.youtube.com/playlist?list=PLa9gH4ABpBi_xkTS4QfzHMt8NDuxDx0Ud

注 全部聴くと2時間近くかかります。

 

                   

初音ミク 1/6~Out of the gravity~

 1/6。プロだったらこんな曲名、絶対つけないでしょうねw。でも、この曲好きなんです。特に2013年マジカルミライのテイク。楽曲のクオリティ、バンドのアレンジ、振り付けやCGも可愛くできてるし、調教も良い感じ。歌詞に少々ツッコミどころはありますが、大量生産しているプロの作詞家先生よりずっと想いは伝わります。そして何より、横浜アリーナの一体感。これだけ揃っているのですから、人間を含めた全てのアイドルのライブの中でも最高峰のテイクの部類に入るでしょう。

 松浦亜弥ファンの方もよろしかったらどうぞwwww  歌は、1分30秒から。

                                           

 そりゃあ、ミクが人間の女の子だったらって思うこともあります。本当の女の子のライブだったらどんなに素晴らしいだろうって、でも、「あやや」は、人間であるが故に、いつまでもアイドルではいてくれなかったんです。人間であるが故に、僕たちファンをこんなにもヤキモキさせているのです。だから、あなたの前に、ブルー・フェアリーが現れたとしても、「ミクを人間の女の子にしてください。」なんて願っちゃだめですよ。ドSなタレントは、一人いれば十分ですから・・www。

2015年3月17日火曜日

松浦亜弥の渡良瀬橋

 松浦亜弥さんのファンは、アイドル時代からずっと応援してきた「レジェンド」や、「リターンズ」、僕のような「新参」などに分類されますが、新参は、YouTubeの動画がきっかけでファンになった人が多いようです。僕も、森高千里さんの渡良瀬橋を何となく聴きたくなってYouTubeを開いたのがきっかけでした。いくつか漁っているうちに、「あやや」がカバーしている動画を何となくクリックして・・・、「代々木アリーナで渡良瀬橋を歌う18歳の松浦亜弥」それが全ての始まりでした。ですから、素敵な出会いをかなえてくれた、動画のアップ主さんには、大変感謝しています。



 で、この代々木アリーナのテイク、YouTubeではおなじみで、アクセスも80万回を越えましたが、当時はリリース前なので、かなり初期のテイクになります。彼女って歌い始めの時期や一発勝負の時に良いテイクが多いんですよね、1回限りのカバー曲とか・・・。性格なんでしょうか。まあ、プロとしては、どうかと思いますけどww。
 
 それから、この曲に限ったことではありませんが、歌詞に応じて歌い方を少しずつ変えているので、2番が、1番の単なる繰り返しになっていません。サビも勿論良いんですが、特にCメロの歌い方が秀逸で、この曲の盛り上げ方をよく心得てます。だから、情景が聞き手と歌い手の間に現れてくるんです。夕焼けに染まる街並みや渡良瀬川の流れが目の前に現れるんですよ。
 所詮アイドル唱法とかハロプロ唱法とか云う方がいますが、教わったことが100%実行できるというのは並大抵なことではありません。これで18歳ですよ。信じられますか。この場にいたら僕、絶対泣いてますww。 

 最近は、渡良瀬橋の歌ってみた動画に、松浦カバーという表示があったり、曲の紹介文に松浦亜弥と森高千里が併記されてたりで、渡良瀬橋といえば松浦亜弥というイメージができつつあるように感じます。森高さんのファンの方々は、複雑な思いもあるでしょうが、森高さんには、作詞という絶対的にリスペクトすべきものをお持ちですから、多少の越えてる発言は、許してくれますよねwww。

祝 初音ミク 科学技術館企画展決定!

 マジカルミライ2015の企画展示が科学技術館で行われます。もう一度云います。科学技術館です。間違えないでください、ラジオ会館じゃありませんよ。

  科学技術館。大学受験で代々木に連泊してた時に、友人に誘われて行ったのが最初でした。その時に見た、音の波形などのアナログ信号を1と0で表現するデジタル変換の理論の展示、まだ覚えています。CDなんて影も形もなくて、パソコンがマイコンって云われてた時代です。結局、僕は工学系の大学には進まず、エンジニアにはなりませんでしたけど、理系の心を忘れたことはありませんよww。
 
 キワモノ扱いだった初音ミクが武道館でライブをして、科学技術館で企画展をする。ついにここまできたんですよ。企画展の実態が物販だっていいんです。ここで開催することに意味があるんですからね。

 初音ミクのファンだって告白した時「いい歳して大丈夫かこいつ」ってドン引きされずに済む日も近いと信じてます。

松浦亜弥とマイク

 松浦さんがコットンクラブで使っている有線マイク、いかにも値が張りそうなマイクですよね。でも、ホールにワイヤレスの設備がないなんてあり得ないから、有線に何かこだわりがあるのでしょうか。音質?それとも、もう振り付けなんかしないよというメッセージ?いずれにしても、マイクを左手に持ち、右手でコードの中程を持つ、こうやって歌う姿、最近はテレビでも、とんと見なくなりました。
 そういえば、2006年頃、マイクを右手で持っているテイクがありますが、それも、アイドルとの決別というメッセージでしたっけ?

 マイクの握り方は、最近は親指を回さない握りですが、アイドル時代は、もっと自然な感じで普通に握っていました。マツコ・デラックスさんが言うところの「アイドルを作ろうと思って作っている」今の子たちと違って、握り方で可愛く見せようなんて考える必要もなかったのでしょう。それに歌いながらマイクを放り投げないようにする方が大事ですからね。

 エコーも必要最小限しか効かせないし、どんなに歌い辛い状況でもイヤホンモニターなんて着けなかったし、どんなに激しい振り付けをしてもヘッドセットなんて使わなかった。まあ、他のタレントさんの場合、ヘッドセットをしている時って、たいてい口パクなんだそうですが・・・。

 なんか、「松浦亜弥とマイク」なんてタイトル付けましたけど、結局、普通に持ってますってことになっちゃいましたww。もう一度マツコさんの言葉を借りると「15・6歳の娘が真剣に歌っている姿が可愛いのであって、その時期をアイドルと呼んでいただけ」ということなんでしょう。
 ただ、「あやや」の場合、そういうプライドというか、自信が、時によって可愛げのなさになっちゃうんですけどww。

2015年3月16日月曜日

祝 初音ミク武道館ライブ決定!

 今でこそ、ドーム公演とかアリーナライブとか大きなライブはいろいろありますけど、武道館ライブって何だかんだ云ってもインパクトありますよね。今年のマジカルミライは結構注目されるのではないでしょうか。
 
 だけど観客の立場で云うと、武道館でやって大丈夫かなあって感じです。客席が埋まるかとかじゃないですよ、見えないんじゃないかってことです。だって、ミクのライブって斜め45度にズレただけで、ステージで何やってんだか分からなくなるんですから。
 ライブ会場で理想的なのは、長方形の箱で、緩いスロープのついたホール、つまり映画館。ミクは映像なんですから当たり前ですよね。
 
 だから、ちゃんと観せようとしたら、八角形のうち南東、南、南西エリアしか使えないと思います。アリーナ入れても6000人くらいでしょうか。東、西のエリア使えば8000人くらい入るでしょうが、大型モニターばかり見ることになりそうww。

 そういえば、モニターって、ステージのディラッドボードに映した映像をカメラで撮って、もう一度スクリーンに映しているわけですよね。ステージだってそもそも映像なんですから、モニターにステージと同じ映像を最初から流しちゃえば簡単だろうって思うんですけどww。
 
 ステージを思いっ切り北に下げて、バックバンドを横浜アリーナの時みたいにステージの上に配置すれば多少良いかもしれませんけど・・・。まあ、これらは、全て今までのやり方だったら、ということなので、こんな心配を吹き飛ばすような新技術を今回のライブでは期待していますね。

   

2015年3月15日日曜日

初音ミクの「からくりピエロ」に松浦亜弥の面影を見る

 初音ミクのライブ用CGには何系統かあって、ファンの方はそれらを見分けられるそうですが、僕だって、2013年のミクパとマジカルミライの違い程度ならば分かります。
 ミクパは、ダンスにキレがあります。きっとモーションキャプチャーした時のダンサーさんが、上手な方だったんでしょう。マジカルミライの方は、いかにも歌の振り付けという感じで、アイドルのコンサートとしては、こっちの方が合っていると思います。

 振り付けを決めたら、ダンサーさんに演じてもらって、モーキャプしてデータを取り込み、CGを付けていく。機械にやらせるというのは、手間のかかることです。
 以前、初音ミクについて「人間だと大変だから、CGで手っ取り早く済ませている」みたいなことを言っている人がいましたが、このような誤解は、1日も早く解けてほしいものです。
 
 で、2013年マジカルミライの「からくりピエロ」なんですが、僕は、これを見た瞬間、驚きました。右腕のリズムのとり方、手拍子するときに手首を打つ仕草、歌い終わったときのマイクの外し方、松浦亜弥さんにそっくりなんですよ。
 まあ、歌うときの仕草なんてみんな同じようなものだと云ってしまえばそれまでなんですが、全体に漂う雰囲気がどことなく「あやや」なんですよね。同じライブでも、このテイク以外はそんなことはないので不思議なものです。ダンサーさんがモーキャプしたときに松浦さんのDVDを振り付けの参考にした、なんて考えすぎですかね。最初の20秒は無視してくださいねww。


                                     

松浦亜弥ファンの皆さん、どう思いますかwww。


女の歌を歌う男、男の歌を歌う女

 最近のカバー曲ブーム、中でも、女性ボーカルのカバーで大活躍の徳永英明さん。ファンとしては、そろそろオリジナルが聴きたいところですが・・・。

 カバーでなくとも、演歌やフォークでは、男が女性目線の詞を歌うのって多いですよね。ところが逆ってあまりないように思います。女性が男の歌を歌うときのハンディって何でしょうか?女性が男言葉で歌うとなんとなく不自然なんですよね、不思議なものです。

 ところが、初音ミクみたいに一線を越えてしまうと、オフコースや桑田佳祐、玉置浩二などのカバーも面白く聴くことができるので、これもまた不思議なことです。だって、人間で小田和正氏や玉置浩二氏をカバーして、サマになる人っています?しかも女性で。
 オリジナル曲も、ボカロPさんは、ほとんどが男性ですから、メッセージ系の歌は男性目線が多いのですが、これらも、初音ミクは違和感なしに歌います。
 このあたりが、人間と違うボーカロイドのもつ特性なのかもしれません。



 で、我らが松浦亜弥さんですが、実にたくさんの男性ボーカルの歌をカバーしています。さだまさし、谷村新司、スキマスイッチ・・・。
 例えば、「22歳」。この曲、女性目線の詞を男性の谷村新司さんが歌っているのですが、松浦さんが歌うと、「女性目線の詞を歌っている男性の歌を女性がカバーしている」となって、結局は、「女性の詞を女性が歌う」となります。だから、違和感がないのも当たり前なんですが、何となく新鮮な感じがして良いですよね。松浦さんのファンも谷村さんのファンも共に楽しめるのではないでしょうか。

2015年3月14日土曜日

初音ミク前史 ~デイジーベル~

 



 アメリカのベル研究所でIBM704がデイジーベルを歌ったのが1961年。記念すべきコンピュターのファーストソングだ。その翌年、アーサー・C・クラークは、同研究所で後継機IBM7094が歌うデイジーベルを聴く。これがきっかけで、映画「2001年宇宙の旅」の名シーンが誕生、コンピュターとデイジーベルの関係は、世間に広く知られることとなった。ちなみにヤマハのボーカロイド開発のコードネームも「DAISYプロジェクト」だ。

 「2001年宇宙の旅」では、コンピューターは人類に反乱を起こす不気味な存在として描かれている。当時のコンピュターは軍事利用が中心だったし、IMB704の歌もどことなく不気味だから、アーサー・C・クラークは、コンピューターにあまり良い印象を持っていなかったのかもしれない。映画で使用されている音楽もコンピューターのイメージとかけ離れたクラシックだ。

 彼は2008年に90歳でこの世を去るが、初音ミクの、このコンピューターの愛くるしい歌声は、彼の耳に届いていたのだろうか。

松浦亜弥のDon't Know Why

 夏目漱石は、旧制松山中学の教員時代、"I love you."を「我、君を愛す。」と訳した学生に、「そういうときは、月が綺麗ですね、とでもしておくものだ。」と教えたそうです。二葉亭四迷は、「死んでもいいわ。」と訳したそうですが、ストーカー事件はあっても「心中」など聞いたこともないし、月を観ることもなくなった現代では、文豪たちの名訳も、もはや死語になってしまいました。

 で、松浦亜弥のカバー曲に「Don't Know Why」があるんですが、これ英語で歌っています。ところが、これがあまり戴けないww。
 彼女の昭和的カタカナ英語はともかくとして、僕は、英語の歌は英語で歌うべきだとずっと思っていたんです。訳詞など野暮でダサイことだと。でも「Feel Your Groove」を日本語で聴いて、ちょっと考えが変わりました。本当の意味で心に響くのは、ネイティブで語ったときなのかなって。

 僕は、日本語の表現力は、英語に劣るとは思っていないし、なにより松浦亜弥なら、もっと素敵な「Don't Know Why」をパフォーマンスできると思うんです。もちろん彼女のカバーの長所であるノラ・ジョーンズによるオリジナルを最大にリスペクトしたものを。

 というわけで
 ”I don’t  know why. I didn’t  come.”(どうしてなのか分からない。私は行かなかった。)
これ、何と意訳すればいいんでしょうか、もちろん唱えるようにですよww。

では、数あるノラ・ジョーンズのテイクの中から、お一つ。

                         

松浦亜弥の「草原の人」

 よくネットに松浦亜弥を「松田聖子2世」と評するコメントがあるが、これは慣例的な褒め言葉であり、実態を表したものではない。笑われるを覚悟で云うならば彼女は、「美空ひばり2世」である。
 実際、彼女自身、その辺を意識していたと思わせるものがある。2003年頃のライブで耳につく癖のある歌い方などは、まるで美空ひばりをマネてるかのようだ。そして、年代的に全く重ならない両者を結びつける曲が「草原の人」である。

 美空ひばりに「草原の人」の詞を託された故 長良じゅん氏は、26年もの間、この詞を歌うに相応しい歌手の出現を待ち続けた。そして、アイドル歌手としてデビューしたばかりの松浦亜弥に出会う。
 芸能界の超大物であった長良氏が、松浦亜弥を大変可愛がっていたのは、当時の記事にも出ている。氏が「あやや」を若い頃マネージャをしていたという「雪村いづみ」に喩えるくだりは、ほのぼのとしていて感動すらおぼえる。

 つんく♂氏は、レコーディングにあたって「美空ひばりはあまりにも偉大だが、同い年で比べればお前も負けてはいない。」と彼女を励ましたという。天才少女として数多くの伝説を持つ美空ひばりは、15・6歳の時には、すでにスーパースターであったから、さすがにこの言葉は褒めすぎではある。が、やはり松浦亜弥は、「美空ひばり2世」であり、そう呼ばれるにふさわしい才能を持っていたのは確かだ。

 しかし、それは、彼女の多くのファンが求めるものではなかったし、すでに「ひばり2世」というブランドが世間にインパクトを与える時代でもなかった。この曲が、その後の彼女とファン、制作サイドの3者のすれ違いの始まりとなってしまったのは何とも残念なことである。確かに「草原の人」はアイドルソングではない。だが、大人になった松浦亜弥が歌って似合う曲でもない。やはり16歳の女の子が歌うに相応しい曲なのだ。
 
 「草原の人」のベストテイクは2002年秋「めっちゃライブ」。このライブ、何となく声が出てなくて、FIRSTコンサートに比べても全体的にイマイチだが、この歌に関しては、この後の、どのライブよりも素晴らしい。長良氏をして「あややに歌わせて良かった」と言わしめたテイクである。

初音ミクとアニメと飯島真理と

 初音ミクってアニメでしょ、なんて言ったら、ファンの方は、怒るでしょうね。でも、ミクのカバー曲には、マクロスやエヴァの曲もたくさんアップされていますから、ヲタさん自ら、誤解の元をせっせと作っているようなものです。もちろん、アニソンとボーカロイドの相性が良いということが一番の理由でしょうけど。

さて、飯島真理さんといえば、超時空要塞マクロスのリン・ミンメイ。アイドル役の声優に本物のシンガーソングライターを起用しちゃうなんてことからも、この作品の先駆性というか、凄さが分かります。しかし、ご本人は、自分を世に出してくれた恩人とはいえ、いつまでも自分につきまとうミンメイのイメージに悩み、逃れるように日本を離れてしまいます。
 
でも、僕は純粋に飯島さんの歌が好きだったんです。「1グラムの幸福」とか「セシールの雨傘」とか・・・、ちゃんとアルバム持ってましたし、ところがミクのカバーを聴いて、あまりにも似合っていて、今ではこっちばかり聴くようになってしまいました。こんなことを言うと、今度は飯島さんのファンに怒られそうですが、結局僕は、飯島さんの曲を聴くとき、マクロスのイメージを消し去ることなんてできてなかったんですよ。
 
当時の彼女のライブには、アニメファンばかりが集まりました。「わたしは、リン・ミンメイなんかじゃないのに・・・」アーチストとしての才能も実績も持っていた彼女が、目の前の光景とのギャップに悩む姿は、考えただけでも胸が痛みます。
 
やがて、アメリカで音楽活動を再開した彼女は、マクロスの威光が遠くこの地まで届いていることを知ります。そして、自身の音楽活動とマクロス関連の仕事と両立させることに努めるようになります。2006年、英語版マクロスの制作が決まったとき、ミンメイの吹き替えをしたのは、飯島さん本人でした。「あなたのことは一生私が面倒を見るからね」22年の時を経て出てきた彼女の言葉でした。飯島真理は、リン・ミンメイではありませんが、リン・ミンメイは、飯島真理だったんです。 







2015年3月13日金曜日

初音ミク「風の谷のナウシカ」

 安田成美さんのカバーです。ナウシカのことは知っていてもこの歌は知らない人も多いのではないでしょうか。松本隆、細野晴臣という当時の最強コンビの作品ながら、安田さんのあまりの歌の下手さに宮崎駿氏が激怒。映画には絶対関わらせない条件で、落ち着いたのがイメージソングという扱い。上映前の館内では流れていましたが、劇中に使われるわけでもなく、サントラにも未収録。その後、映画がどんなにヒットしても、ジブリが世界的ブランドになっても、この歌が世間に広まることはなく、安田さんもその後は女優業に専念するようになり、二度と歌うことはありませんでした。

 あれから30年、初音ミクが歌うナウシカを聴いた僕は、衝撃を受けました。テクノポップとボーカロイドの相性が良いのは当然のこととしても、細野晴臣氏が、初音ミクの登場を予測して作ったのではないかと思うほど似合っていて、僕の抱いていたナウシカのイメージを初音ミクが見事に再現しているのです。

 電車の吊り広告を見て、何の予備知識もなく入った町の古ぼけた映画館。どんな作品だろうと待っていたときにかかっていたこの曲。作品ではあまり描かれることのなかった、ナウシカの16歳の女の子としての可愛らしさを表現したこの曲。宮崎駿氏が排除しようとした、16歳の可愛い女の子のイメージ・・・。ああ、今頃わかりましたよw。宮崎先生が激怒されたのは、安田成美の歌唱力なんかじゃなく、ナウシカにアイドル性を持たせようとしたこの曲そのものだったんだってことが。