2015年4月26日日曜日

中森明菜

  僕にとっての中森明菜は、生意気だけど可愛い妹っていう感じでした。今思えば、音域も狭く声量も少ない娘でしたが、16歳にしては歌を聴かせる術を持っていたように思います。
  僕は、明菜のデビュー曲、「スローモーション」が好きでした。だから、世間的に、次の「少女A」がデビュー曲みたいになって、ツッパリアイドルみたいに扱われているのが残念だったんです。確かに暗いイメージのある子でしたけど・・・。僕は、ファンとしては少数派だったのかもしれません。

 下宿にテレビもなく、ラジカセしか持っていなかった僕は、1stアルバムのカセットテープを擦り切れるまで聴いていました。ザ・ベストテンを見るために、テレビのある駅の待合室まで、片道25分かけて出かけたこともあります。

 彼女が、まだデビューして間もない頃、風邪を引いた状態で、ザ・ベストテンに出たことがありました。視聴者が不快にならない程度に歌うことができたと記憶していますが、なんと彼女は、ちゃんと歌えなかったと云って、黒柳徹子の隣でポロポロ泣き出したんです。アイドルといえども歌手と名のるからには、歌にプライドがあった時代でした。

 その後、彼女が国民的歌手になっていくに反比例して、僕は彼女に対する興味を失っていきました。オタク心なんて今も昔もそんなものでしょうか。聖子ちゃんと同じように、彼女もまた楽曲には恵まれていました。彼女がレコード大賞をとる頃には、僕はもう完全に興味を失っていましたが、ジャニーズの某との熱愛騒動が全てのつまずきの始まりで・・・。


 あれから何年経ったんでしょうか、昨年の紅白歌合戦に出た彼女は、僕の目には明らかに病んで見えました。年齢より年を取ってしまったようにも見えました。生中継と云いながら、人前に出られなかったことで、僕は、もう彼女がライブを開くこともできない状態であると確信しました。こんな状態で出すアルバムなど、たかがしれているし、そんなCDを買おうなんて奴は、昔の明菜のイメージに捕らわれているだけの音楽の分からない奴だろうと、密かに軽蔑していました。

 だけど或る日、そんな彼女の歌をダウンロードしたという若者に出会いました。親子ほど年が離れ、明菜の過去など何も知らないというその若者は、あの歌を、僕には、歌唱力のなさを誤魔化しているだけにしか聞こえないあのアレンジを、カッコいいと云うのです。
 
 僕は、ショックでした。そして、明菜にすまないと思いました。なぜもっと素直に彼女の歌を聴けなかったのか、先入観に捕らわれていたのは、他ならぬ僕自身でした。歌唱力の衰えを一番自覚していたのは、明菜本人だったはず。でも彼女は、これから迎える50代の歌手生活にむけて、ピークを必死になって作ろうとしていたんです。

 歌唱力の衰えた歌手は、人前に出て歌ってはいけないのでしょうか。声の伸びがなくなったとき、エコーをかけることは、悪いことなんでしょうか。高音が出なくなったとき、キーを下げて歌うことは、恥ずかしいことなのでしょうか。
 僕は、希有な歌唱力の持ち主である、松浦亜弥のファンであることを誇りに思っていましたが、その一方で僕自身が天狗になってたのかもしれません。僕自身が歌っているわけでもないのに、です。

 タレントには、去るファンもいれば、新しいファンもいる。それは、僕が松浦亜弥のファンになってから常に考えていたことです。
 明菜から離れた僕の心は、もう戻ることはないでしょうが、少なくともこれからの彼女を目をそらさずに見守っていこうと思います。彼女が新しい理解者に囲まれて、再びステージに立ってくれることを祈りながら。




  いずれ削除されてしまうだろうけど、怒濤の3本立て、貼り付けさせていただきます。これでファンにならなかったら、男じゃないっwwwww












6 件のコメント:

korou さんのコメント...

今回の久々の動きについては
紅白以外に全然露出がなかったという点が
個人的に不満でした。
Mステとかに出てほしかったですね。
トークにも魅力のある人ですから。
やはり、体調回復がそこまでいかなかったのでしょうかねえ。

さんのコメント...

生放送は厳しいでしょうね。
体調を見ながら、アルバムをこつこつ作っていくという活動が中心になるのではないかと思います。
CDのリリースが決まれば、多少無理をしてでも人前に出てくる可能性はあるかもしれませんが・・・。

Unknown さんのコメント...

以前のブログにも書きましたがわたしは聖子ちゃん派ですm(__)m
聖子ちゃんの切ないすがるような歌声にわたしはイチコロになってしまいました。
女子からすがってこられたら放っとけないでしょ、てな感じです。
まんまと戦略にハマった格好のわたしでした。お恥ずかしい限り。

わたしは明菜さんをはっきり言って直視できません。
ほんと痛々しすぎて見ていられません。
あの頃の華々しさを知っている我々からしたらこの数年の明菜さんは見るに堪えないんです。

でも、人生は色んな形があるんですよね。
受け止め方には人それぞれあるので何が正しいとかはあるはずもなく、ただわたしは傍観者として明菜さんを横目で見ているだけです。
そんなわたしが明菜さんの生き方をどうこう言うつもりはありませんが、ただ思うのは人から同情を貰うような生き方だけはよした方がいいんだろうと思います。

訪れた不幸は仕方がないこと。自分が原因だと諦めるべき。
でもそれを売りにするようなことだけはしてほしくない。
薄幸は武器にならない。

あ。これは年老いた者の見方ですね。
今の若い子には新鮮に映ってるんでしたね。

さんのコメント...

ふくちゃんさんたちは、お分かりでしょうが、今回の記事は、僕が今まで彼女についてコメントしてきた文を何となくまとめたものです。
ですから、自分としては軽い気持ちで投稿したのですが、抱えている問題は、だいぶ重かったですね。

ふくちゃんさんからコメントをいただいて、自分の思いを返信させていただこうと思ったのですが、結局何も書けませんでした。
自分も、傍観者という立場をとるしかないのですが、せめて、まあ無理なんでしょうけど、
「昔の夢を壊されたくないから、復帰などしないで欲しい」っていう態度だけは、とりたくないなって、思います。

Unknown さんのコメント...

すみません。
そんな重くするつもりで書いたわけではなかったんですが、、、、。

基本わたしも復帰されることに反対はしませんし、むしろ頑張ってほしいと思ってます。
ただ彼女はわたしとは遠いところに居るんだなと感じるだけです。

オールドファンは勿論ですが、今の若者たちからこのオバちゃん(失礼ですが、、)凄いなあと思われる存在になれればイイですね。
失礼しました。

さんのコメント...

すみません、そういう意味ではなかったんですがww
うかつに。重い話題を取り上げた僕がわるいんです。

明菜さんの記事なんですが、ページビューが、他の記事よりも多いです。
何だかんだ云っても,ビッグネームなんですね。