2015年11月4日水曜日

映画「明日に向かって撃て!」から「雨にぬれても」 B・J・トーマス&初音ミク

 特にリクエストをいただいたわけではないのですが、先日のバート・バカラックつながりで「雨にぬれても」を取り上げさせていただきました。

  「明日に向って撃て!」は、 1969年に制作されたアメリカ映画です。原題は、「Butch Cassidy and the Sundance Kid」で、主人公の名前そのまんまですね。彼らは実在の人物で、アメリカでは有名な列車強盗・銀行強盗ですから、人物名でも映画の題名として通用するのでしょうけど、日本では、そういうわけにはいきませんから、アメリカ映画っぽい格好いい邦題を考え出したんでしょう。出演者は、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス。そして主題歌は、僕の尊敬するバート・バカラック先生作曲の「雨にぬれても」です。こちらの原題は「Raindrops Keep Fallin' On My Head」で、直訳すると「雨粒が、私の頭に降り続けている」ですから、なかなかの名訳だと思います。

 では、「雨にぬれても」。映画の名シーンと共に貼り付けさせていただきます。このシーンは、ほとんど2人のアドリブ演技で、実際に音楽を流しながら撮影したとのことです。名シーンと云っても、自転車で二人乗りしているだけなんですけどw






 名シーンに名曲有りっていうか、これに関しては、名曲あってこその名シーンという感じですね。

 僕は、当然のことながら、この映画については、全くといって良いくらい知らなくって、断片的に紹介されている映像と、あらすじ程度の知識しか有りません。でも、こんな映画をリアルタイムで映画館で見ることができた世代が羨ましいです。初音ミクファンの僕が云うのも変ですけど、今のアメリカの娯楽映画ってCGだとか、SFXだとか、そんなのばっかりじゃないですか。
 
 バート・バカラック先生ご自身が歌っているライブテイクがありました。


 続いて、初音ミクのカバーになります。映画ファンの方々から、原作を冒涜している、などと云われかねませんが、「雨にぬれても」は、すでに映画から独立した偉大なスタンダードナンバーですので、こういうカバーも許されるのではないかと思った次第です。
 あとは好みの問題で。といっても、好きな人は圧倒的に少数派なことは分かっていますw。


 世界広しといえども、この2テイクを並べて貼り付けてるブログは、ここだけでしょうね。

 初音ミクは、日本語の音声データからつくられたボーカロイドですから、通常版で英語の歌を歌わせるとカタカナ英語になっちゃうんですよね。これは、英語音声ライブラリーを使用している作品なんで、発音はバッチリですww。

 参考までに、同じボカロPさんによる、通常版でのテイクです。


 中学生に英語の歌を無理やり歌わせたみたいですね。これぞ日本人のカタカナ英語ですよ。僕が中学生だった頃の英語の先生も、こんな発音でした。
 僕も、スタンダード版と英語版を全く同じ曲で、聴き比べるのは、初めてなんで、とっても勉強になりました。

 で、日本語で歌ったらどうなるのかなって考えてみたんですけど、日本語のカバーって驚くほどなくって、皆さん、英語で歌っているんですよね。

 始めの2小節で、英語だと「Raindrops Keep Fallin' On My Head」まで歌っているんですけど、日本語だと、「あーめがふってきたー」くらいしか歌えません。
 日本語で歌うと、一音で音符1つ使っちゃうんで、全然言葉がのらないんですよね。だから直訳文で歌おうとすると、音符を刻んで、もの凄い早口で歌わなければならないんです。
 岩谷時子さんの訳詞がありましたけど、意訳を重ねて、ご苦労が伺えます。でも、伝えきれてなくって、やっぱりイマイチなんですよw

 今度、カラオケに行く機会があったら、思い切って英語で歌ってみましょうか。まあ、通常版初音ミクには負けたくないですw


2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

またまた懐かしい話題をどうもヽ(^o^)丿
思わず反応してしまいました。

「明日に向かって撃て」のタイトルは多分ラストシーンから来ていると思います。でも三人とも銃撃の嵐の中で死んじゃって明日は無いんですけど、次の目標に向かって突っ走ろうとした彼らの心意気を表現したんだろうと勝手に解釈しています。
この映画は青春時代の思い出の映画です。二人の男はカッコよくてお洒落で強くってそれでもってユニークで、男女三人の関係も友情と愛情の間を微妙にさまよっている様子が手に取るようで、若かったわたしはすっかり映像に引き込まれていった記憶があります。
この有名なシーンは仰るように映画の筋とは無関係に挿入されたシーンですが、観るものにポールニューマンとキャサリンロスの愛の物語の暗示させる素敵なシーンでしたね。その陰でロバートレッドフォードの納得なのか諦めなのか祝福なのか判別できない表情が印象的でした。
わたしはこの映画のキャサリンロスに恋してしまいました(*^_^*) 二人の男の間を自由に行き来する女性に未熟なわたしが憧れを感じたのかもしれません。
再放送がある度にちらっと観たりするのですが、あの青春の思い出は遠い昔のことだったと懐かしく眺めています。
残念ながらあの時の感動はもう二度と帰って来ることはないですね。
歳を取った証拠でしょうか。

それと付け加えて言うなら、このシーンのような映画においてある曲を関係のないシーンに被せることは一部の評論の中では否定的です。何故ならそれは全くの音楽PVに化してしまうからです。音楽を被せればどんなシーンでも情緒的に仕上がってしまいます。なのでこの手法は禁じ手なのですね。わたしも実はそう思うのです。
でもそれとは裏腹にこれに反応してしまうわたしがいるのも確かです。難しいとこです。

すみません。
初音ミクのこともバートバカラックのことにも関係なくおしゃべりしてしましました。
ちょっと思い出が蘇ったものですから。
失礼しました。

さんのコメント...

なるほど、実際に映画をご覧になったからこその見解ですね。

このシーンが、当時の評論家から酷評されたのは、記事に出てました。
しかし、このシーンが曲と共に流れたとき、一瞬にして館内の空気を変えてしまったとも。
結果的に視聴者に好評だったから良しということでしょうが、
それにしても、何故、こんなPVを挿入したんでしょうかね。
バート・バカラックが要求したんでしょうかw。

映画公開から45年。
「明日に向かって撃て」は、永遠の名作として残りましたけど、
「雨にぬれても」は、その映画からも離れ、永遠の名曲として残っています。
今では、映画は知らなくても、この曲は知っているという人はたくさんいると思います。

でも、お話を伺って、一度きちんとこの映画を観てみたくなりました。
これも、名曲が導いてくれた縁でしょうか。