2015年11月8日日曜日

さだまさし「道化師のソネット」feat. 松浦亜弥

 「さだまさし」(本名・佐田雅志)さんは、長崎市出身のシンガーソングライター。日本で最も多くのソロ・コンサートを行っている歌手と云われています。昭和から平成まで、コンスタントに活動を続け、人気を保ち続けていることは、驚異的で奇跡に近いと思います。また、叙情的で文学的な歌詩の世界は独自のものとされ、さださんの場合、作詞ではなく作詩と表記するそうです。

 ヒット曲も、「精霊流し」「雨やどり」「関白宣言」と数え切れないほどありますが、まずは、独断で「無縁坂」を貼り付けさせていただきます。シングルチャート12位と若干地味ではありますが、僕が、最も「グレープ」らしいと感じている曲です。


     運がいいとか  悪いとか
    人は時々  口にするけど
    そう云うことって確かにあると 
    あなたをみててそう思う

 特にたいしたことを云っているわけではないんですけど、これぞ「さだまさし」っていう詩だと思います。それにしても、暗い曲ですね。さださんがグレープを解散した理由の1つに、暗いイメージからの脱却をあげていたそうですけど、まあ、この暗さがグレープなんだと思います。

 さて、「道化師のソネット」は、1980年、さだまさしさん自身が主演・音楽監督を務めた映画「翔べイカロスの翼」の主題歌だったそうです。「翔べイカロスの翼」はインディーズ作品だったために広く世間に知れることはありませんでしたが、この主題歌は、オリコン2位、40万枚を超えるヒット曲になりました。
 映画は、誰も知らないのに、主題歌は、みんな知っているというパターンですね。
 
 貼り付けさせていただくのは、みなさんご存じ松浦亜弥さんによるカバーです。NHKで2009年にオンエアされた「さだまさし!音楽を愛する心のビッグショー」からのテイクです。


 さだまさしさんの楽曲は、比較的情感を込めやすい曲が多いので、松浦さんには向いているのかも知れません。ただ、彼女の素直で透明感のある高音というのは、男女の違いこそあれ、さださんと被るところです。共通点が有り過ぎるというのも、カバーする際に悩ましくなるところであります。

 では、さだまさしさんのテイクを貼り付けさせていただきます。最近のライブテイクもあるのですが、やはり、脂がのりきったこの頃のテイクが優れているかと。


 さだまさしさんがソロになって精力的に楽曲を発表していた頃は、僕が一人暮らしをしていた時期と重なります。「案山子」「主人公」「つゆのあとさき」そしてこの「道化師のソネット」など、数多くの名曲が発表されました。夜中に下宿に向かう帰り道、独り大声で「さだまさし」を歌いながら歩いていたことを思い出しました(田舎だったんでw)。「森田童子」なんて聴いてる奴もいましたけど、僕の独り暮らしの淋しい心には、「さだまさし」くらいが丁度良かったのかもしれません。

 さだまさしさんが元スチュワーデスの奥様と結婚されたのも、確かその頃だったはずでしたが、先日、娘さんでピアニストの佐田詠夢さんが、ゴスペラーズの北山陽一氏と結婚されたと云うことを知って、時の流れを感じた次第です。

 では、折角ですから、もう1つ貼り付けさせていただいて、お終いにいたします。当時、僕が一番好きだった曲「檸檬」です。

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