2016年1月25日月曜日

Lia「鳥の詩」 ~ボーカロイドカバー特集~

 「鳥の詩」(とりのうた)は、2000年にKeyから発売されたゲーム「AIR」の主題歌です。当初は、18禁のアダルトゲームだったそうですが、その秀逸なストーリー性が評判になり、アニメ化されたり、全年齢対象版が発売されたりして広まっていきました。今では、元アダルトゲームであったことを知らずにファンになっている子も多いと聞きました。

 テーマ曲「鳥の歌」をレコーディングした時、Liaさんは未だデビュー前、アメリカ在住の学生さんだったそうで、レコーディングに至る経緯も本当に偶然だったようです。
 ゲームやアニメが大ヒットすることによってテーマソング「鳥の詩」も広く知られるようになり、アニソンのランキングでは、常に上位にランクされ、現在では、アニメ界の「国歌」と云う扱いを受けているそうです。

 まずは、御本家にお手本を示していただきましょう。2014年とありましたから、比較的最近のテイクのようです。


 さすが、「クリスタルヴォイスの歌姫」と云われるだけありますね。Liaさんは、どちらかというと声を聴かせるタイプの歌手のように思います。
 ゲームのオープニングテーマでこのクオリティ。さすが日本が世界に誇る文化です。それからもう1つ、彼女の声質は、周波数と振幅の2つで1/fゆらぎを所持すると紹介されていました。

 「1/fゆらぎ」は、自然界に存在する半不規則なノイズ成分で、ちょっと前まで、人に安らぎを与えるとして話題になりました。「1/fゆらぎ」機能が付いた扇風機が自然の微風を再現しているとか云って一頃売られていましたよね。
 確かに規則的なノイズというのは、人には気持ちの悪いモノなんですが、不規則成分を加えた「1/fゆらぎ」がどれほどの癒やし効果があるのかは、科学的に証明するのは難しいようです。川のせせらぎの音が心地よくって昼寝をしてしまう人もいれば、気になって仕方がないって思う人もいるわけで、まあ、使っている本人に満足感があれば、周りでとやかく言うのは、無粋だと云うことなんでしょう。
 ただ、ボーカロイドのビブラートなどは、ある程度のゆらぎ成分を加えた方が、自然な感じに聞こえると思いますので、研究する価値はありそうです。

 で、「鳥の詩」ですが、さすがにアニメ界の国家というだけあって、ありとあらゆるボーカロイドカバーが投稿されています。その中から幾つかセレクトさせていただきました。

  1つ目は、やはり「IA」のテイクから始めたいと思います。


 ご本人が音声データの提供者ですから、似ていて当然なんですけど、これってアリなんでしょうかw。
 今回は、Liaさんのテイクがライブ動画なんで区別が付きますけど、CD音源だともっと似ています。本当に「IA」の歌なのか心配になってしまいました。まさかご本人の音源って云うこと無いですよね。
 MMD動画も良く出来ています。PVとしても十分に使えると云うか、本家を越えてる感すらありますね。

 2つ目は、「結月ゆかり」のテイクになります。
 
 「結月ゆかり」は、声優の「石黒千尋」さんの音声データから作成されたボーカロイドで、ボカロPのクリエイター集団「VOCALOMAKETS」の企画により「AHS」が2011年12月22日に発売したボーカロイドです。文章を入力すると読み上げてくれる、話し言葉用の音声合成技術(ボイスロイドと云うそうです)が同梱されているのが特徴のようです。

 キャラクタ-設定は、年齢18歳、身長159cmとありましたから、大人びた情感の強い歌声をもつボーカロイドで、中低音の響きに評価が高いようです。
                                                        
 た行が少し舌っ足らずになっているような気がしますが、いかにも芯の強い大人の女性の歌声っていう感じがします。楽曲の雰囲気にもピッタリですね。
 アニソンとボーカロイドの相性が良いというのは、よく言われることなんですが、それにしても上手に歌うものだと思います。この曲そのものが、ボーカロイドが歌い易いつくりになっているのかも知れませんね。
 
 3つ目は、ちょっと変化球で「蒼姫ラピス」です。

 「蒼姫ラピス」は、2012年4月6日に発売されたボーカロイドで、キャラクター設定は、「記憶喪失の身長15cmの妖精族の少女」だそうです。まあ、妖精だというのは良しとしても、なぜ記憶喪失でなくてはいけないのか分かりません。
 ボーカロイドもキャラクターで商売していかないと、やっていけない状況にあるというのは、悲しいことなのですが、初音ミク独り勝ちの現状では、致し方ないかも知れません。
 歌声のキャッチフレーズは、「あどけなさが残る愛らしい声」とのことですから、さっそく確かめてみましょう。音声データ、いわゆる中の人は、一般公募で選ばれた、ニコニコ動画歌い手の「江口菜子」さんとのことです。


 予想以上の変化球でしたね。ラピスちゃんは、オタクの世界でしか生きられない妖精なのかもしれません。

 では、4つ目、「初音ミク」でお終いに致します。いくつかある中で、Append版のDarkによるテイクをセレクトしました。Darkの落ち着いた歌声が、楽曲の雰囲気によく合っていると思います。


 さすがですね。初音ミクの底力を感じます。この情感は、調教のなせる技なのでしょうが、それだけの積み重ねが、ミクには有ると云うことなんでしょう。

 この他にもたくさんの「鳥の詩カバー」が投稿されています。面白いテイクを見つけましたら、また投稿させていただきますね。

2 件のコメント:

TKLYIM さんのコメント...

はじめまして、tonwgo(tklyim)と申します。
実はひとつ前の記事の時にLiaのライブ動画をyoutubeにupしている作業中でして、その直後に亜弥さんファンブログを巡っていて偶然記事を読みコメントをしたはずなのですが、どうもうまくできていなかったようでこちらの記事に改めてコメントさせていただきます。(管理者の確認等によりコメントが公開されていないのであれば勘違いですのでスルーしてください)

前回のコメントではLiaのいいところなどを書いたのですが、この記事の前半で書かれているのでそこは省略して、ボーカロイドIAやLiaのライブについて書こうと思います。

はじめに、ボーカロイドというと2008年頃に周りで騒いでいる人がいて、実際に聞いてみたけどあまり人の歌声に似ていなくて残念に思った記憶があり、いつももっと人の歌声に近づけられれば面白いのに惜しいなぁと感じていましたが、IAの鳥の詩の動画は音声データ提供者の持歌を歌っているとはいえ、かなり再現できていて驚いています。
ただ、ご指摘の通りLiaの声質や鳥の詩自体がボーカロイド向きといいますか、声質がその方面に合っているため、エフェクトや加工編集がなくても元の音源通りの歌声が出るまで技術が高まることを期待したいです。
もっとも私はライブパフォーマンス重視の、できれば1人(メンバーだけ)で演奏をこなし、多くの人を魅了できるレベルの高い歌手を望むので、技術の進歩に加えてライブでボーカロイドがドSなMCやライブ慣れしていない感、アクシデント等をリアルに演出できる機能でも加わればすぐにでも手を出すのですが笑

あと、Liaのライブについて大sansanが気付かれたかどうかは分かりませんが、この記事の動画では菊ちゃんと高尾さん、櫻井さんがサポートメンバーとして参加しているんですよ。ほかにも2007年のライブに菊ちゃんと高尾さんが参加していたり、他のライブについては確認していませんがLiaのライブには菊ちゃんを中心に亜弥バンドのメンバーが参加しているみたいです。
やっぱり自分が尊敬する歌手やミュージシャンが一緒にライブをやっているのを見ると嬉しくなります。

最後に、残念ながらLiaの歌唱力は出産前と後ではわずかに落ちてしまっているように感じますが、レベルの低下が続く音楽業界ではまだまだ上位の歌唱力を持っていると思いますし、Liaや亜弥さんのようゲーム&アニソン、アイドル界出身であっても「本物」の歌手が活躍できる業界に変わっていくことを願わずにはいられません。

さんのコメント...

tonwgoさんコメントありがとうございます。

以前コメントが上手くいかなかったとのことですが、申し訳ありませんでした。
どこか設定がおかしくなっているみたいで、
コメントを受け付けないなどの不具合が時々あるみたいです。

Liaさんは、「IA」のことを調べていて知りました。
きちんと音楽も勉強されていて、歌唱力もしっかりしている方なのに、
たまたま、アニソンでデビューされたということで、
世間から正統な評価を受けていないところがあるように思いました。
(そういう方ってけっこう多いですよね)

それから、サポートメンバーについての件、ありがとうございます。
キーボードは、なんとなく似てたんで、もしかしたらとは思っていたんですけど、
菊ちゃんと高尾さんについては、全然気がつきませんでした。
かっこうのブログのネタだったのに惜しいことをしましたww

「IA」の楽曲に「Circuit DISCO」というのがあって、
作詞曲が「小松一也」さんという方なんですけど、
この方は、W-insや橘慶太氏の楽曲のアレンジを手掛けているということです。
「IA」「Liaさん」「慶太氏」「菊ちゃん」とみなさん繋がっているみたいですね。

「Liaさん」だけでなく「IA」のライブでも「菊ちゃん」たちに伴奏をお願いしたいです。
ボーカロイドのライブで一番重要で、ファンが望んでいることは、
レベルの高い本物のミュージシャンに伴奏してもらうことですから。
ってもしかしたら、僕が知らないだけで、もうやっているかもしれませんね。

また、いろいろと教えてください。