2016年7月18日月曜日

「上を向いて歩こう」 ~みんなで歌おう その2~

 先日、永六輔氏の逝去報道がありました。ご冥福を祈って、などと云うとおこがましいのですが、みんなで楽しく歌いましょう企画の第2弾として、今回は、名曲「上を向いて歩こう」を取り上げさせていただきます。

 永六輔氏と云うと、他にも何曲が有名な曲がありますが、やはり、どれか1曲となると「上を向いて歩こう」ということになるかと思います。


 「永六輔」氏が「坂本九」氏の歌い方に難癖をつけたのは、有名な話です。かなり酷く罵ったらしいです。まあ、坂本九氏は、この時代の多くの若者がそうであったように、アメリカに憧れていた歌手でしたから、こういう、日本語を崩したような歌い方をしたかったのでしょう。

 その後、この曲は、「SUKIYAKI」として、アメリカでヒットしますが、日本語歌詞のままで発売されているんですよね。多くの楽曲が、アメリカで発売するにあたって、英語の歌詞に書き換えられていることを考えると、異例のことと云えます。
 日本語のままで発売された理由については、坂本九氏の歌い方が、アメリカ人にも嫌悪感なく聞こえ、「このままで良いんじゃねえ」みたいな感じだったからだと云われています。英語に書き換えられていたならば、歌詞の内容も少なからず変更されていたでしょうから、(実際、外国語歌詞の内容は、オリジナルとは、異なっています。)作詞家、永六輔氏は、坂本九氏にかなりの恩があると云えます。(でも、絶対反省してないと思います。だって、それが永六輔氏ですから)

 もっとも、当時の日本人の多くが、坂本九氏の歌い方に違和感を覚えたことは確かなようで、僕の死んだ祖父さんも坂本九氏がテレビに出てくる度に「コイツの歌い方は変だ」と言ってたことを覚えてます。ちなみに僕の祖父さんは「森進一」も嫌いでした。

 では、英語版で歌っていただきましょう。数ある中で、これをセレクトさせていただきました。


 出だしの4小節、日本語では、「うえをむいてあるこう」だけですが、英語版では、「It's all because of you, I'm feeling sad and blue.」となります。「僕がこんなに悲しくってブルーな気分になっちゃたのは、全部、君のせいだからね。」と英語だとこれだけ詰め込めるんですよね。日本語は、世界的に見ても特異な言語で、曲に僅かな言葉しか乗せられません。
 最近、「オノ・ヨーコ」さんが、「SUKIYAKI」を「Look At The Sky」として、原詞に沿って意訳して発表したそうです。出だしの4小節は「Look at the sky as you walk through life(人生を歩むときは、空を見てごらん)」となり、かなり原詞に近いのですが、それでも、付け足さないと音符が余っちゃってますからね。

 では、ボーカロイドカバーを貼りつけさせていただきます。この曲、投稿自体は多いんですが、ボーカロイドに歌わせるのは難しいみたいで、なかなか、自信を持って、お聴かせできるテイクが無くって・・・。
 

 だいぶ古い作品で、MMD動画も初期のヴァージョンなんですけど、すごく丁寧に歌わせているところを評価させていただきました。失恋の歌というシチュエーションになってます。
 永氏がご存命でしたら何と仰られるか分かりませんけど、理論武装して徹底的に争う覚悟はできておりましたww

 この歌詞の誕生秘話については、いくつか伝わっているようですが、この歌が「困難に直面した時の歌」であることは確かです。その困難が、聴く人、歌う人によって、失恋であったり、安保闘争の敗北であったり、震災であったりするわけで、その普遍性があればこそ、歌い継がれてきたのだと思います。

 では、3曲目。日本の有名なロックンロールのカバーです。
 
 歌は1分40秒からです。NHKで追悼番組として再放送されましたね。アンコール曲の定番だったようです。


 
 リンクになりますけど、もう少し若いときのテイクです。こっちの方が好きかな。


 忌野清志郎氏も故人になってしまいましたね。僕は、坂本九氏のテイクで泣いたことは、ありませんけど、忌野氏のテイクを聞いて泣いたことがあります。「涙が溢れないように」のところが何とも云えなく良いんですよ。

  「上を向いて歩こう」については、坂本九氏の事故死の時も盛んに流されましたし、東日本大震災の避難所でよく歌われていたというのも有名なエピソードです。永六輔氏の逝去で、作詞者、作曲者、歌手と全てこの世を去りましたが、これからも、忘れ去られることなく、歌い継がれていくんでしょうね。

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