2017年7月8日土曜日

「最愛」KOH+ feat. 初音ミク ~ガリレオ「容疑者Xの献身」と「四色定理」~

 四色定理(四色問題)は、数学でグラフ理論と呼ばれている分野の問題です。簡単に言えば、世界地図を国別に色分けするとき色鉛筆は4本あれば可能、という定理になります。
 4色以上必要なことは明らかで、5色あれば十分という証明は成されていましたが、4色で必要かつ十分であることの証明は、長い間できませんでした。
 数学の世界での未解決の問題には、他にフェルマーの最終定理(1995年に証明)などがありますが、四色定理の面白さは、素人でもイメージ可能な、その簡潔さにあります。僕もこの話を高校生の時に聞いて、早速、ノートに試したものでした。
 日本地図を塗り分けしてみれば分かることですが、当てずっぽうでは、山梨県の辺りで行き詰まってしまって、4色で塗り分けるのは、意外と難しいものです。


 この定理は、1976年に証明されますが、この時、世界を驚かせたのは、証明にコンピュータを利用したことでした。人間が長年証明できなかった問題をコンピュータが解いた、という衝撃は、質的な違いはあるものの、現代の人工知能にも通じる出来事で、この証明を数学的に認めるのかという論争も起きたと云います。

 で、この四色問題を世間に広く知らしめたのが、劇場版ガリレオ「容疑者Xの献身」です。僕の周りにも、この映画で四色定理を知ったという人が何人かいます。


 天才「湯川」が認めた唯一の天才「石神」・・・良いですね。最高のキャラクターです。数学に優れた才能を持ちながらも、家庭の事情で研究者の道をあきらめ、人生を絶望している石神。人との付き合いを苦手とし、想いを相手に伝えることに不器用な石神。とにかく、感情移入しまくって見てました。事件が解決しないでくれと願ってしまうミステリーなんて、そうあるものではありません。
 石神が天才にもかかわらず、これだけ感情移入できるのも,彼がネットの住人たちが云うところの「こっちの人間」だからに他なりません。感動のラストシーンですけど、あれって、石神がフラれたってことですよね。無償の愛さえも受け入れてもらえないというオタクの哀れさが、あの叫びなんだと思います。

 主題歌「最愛」は福山雅治氏によるもので、オリジナルで歌っているのは柴咲コウさん。今回紹介させていただくテイクは、僕の大好きなmelodylightsさんによるカバー作品です。ミクの歌声があまりにも幼いので、かなりの違和感がありますが、まあ、これはこれで。


「この事件を解決したところで、誰が幸せになると云うんだ」
「となり同士は、決して同じ色になってはならない」
「君は不思議に思ったはずだ、なぜ警察は3月11日のことばかり聴くのかと。」

 印象的なセリフの数々です。湯川が四色定理の証明問題を手土産に石神のアパートを訪ねるシーンがありました。証明の不備を見つけるという課題に徹夜で取り組み解決してしまう石神。格好良かったです。
 レベルは全然違いますけど、数学の問題を徹夜で解いてた受験生の頃を思い出しました。大人になって、徹夜で報告書や企画書を書いていると、あの頃って、なんて贅沢な時間の使い方だったんだろうって思います。

 ガリレオシリーズというと、何と云っても、あの数式(微分方程式?)ですけど、この作品では封印していたみたいです。
 よく誤解されているようですけど、あれは一種の検算です。解答は、湯川の頭の中に既にあって、それを確かめるために計算しているにすぎません。でなければ、あんな速さで書けるわけありませんから。
 この前、テレビの数学チャンピオン決定戦みたいな番組で、同様な場面を見ました。東大の大学院生で、左利きの女の子でした。与えられた課題に対して、他の出場者が試行錯誤しながら解いているのをよそに、可愛らしい丸文字の数式を淀みなく連ねていました。この子が、既に頭の中に解答を得ていることは明らかでした。こういうことって、本当にあるんだって思いました。しかも、それが、ちょっとオタクっぽい、でも、とっても可愛い女の子だったんですから、よく覚えています。

 原作者「東野圭吾」が「堤真一」氏演じる「石神」をして「この証明は美しく無い」と云わせた四色問題の解法。コンピューター解析に依存しない証明は、現在もなされていないとのことです。

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