2017年10月29日日曜日

松浦亜弥とWinkと初音ミクが歌う「純愛ラプソディ」

 まあ、僕だけのせいでは無いのですが、このブログも黒潮のように大蛇行しております。で、松浦亜弥とWinkと初音ミクを同時に取り上げることができれば、問題も一気に解決!ということで、共通する楽曲を探してきました。

 「純愛ラプソディ」は、1994年5月10日にリリースされた竹内まりやさんの24枚目のシングル、説明は不要ですね。早速、Winkのテイクから貼り付けさせていただきます。


 早智子さんスタートの歌割りですね。この頃になると、歌唱力の差が実感できるように思いますが、だからと云って、相田さんだけで十分かと云うと、そうはなりません。デュオの魅力は重ねた声。人類が歌うことを始めた時、声を重ねるという魅力に気づくのに、時間はかからなかったと思います。
 持ち歌じゃありませんし、ちゃんとしたカバー曲でもありませんし、何より、個性的に歌い込むような二人ではありませんから、こんなものかなっていうところでしょうか。でも、この、何も足さないところが彼女たちの持ち味ですし、だからこそ、洋楽カバーも広く受け入れられたのだと思います。

 続いて、初音ミクのテイクになります。僕は、このテイクを聴いていて泣きそうになったんですよ。


 ネタ動画でスミマセンです。鈴木早智子さんと相田翔子さんがデュオで輝くように、ヲタクと共に有る時が、初音ミクが最も存在感を発揮するとき。お許しくださいw

 仙石線には、思い出があります。ずっと昔のことですけど、松島に行ってみたくなって、電車を乗り継いで出かけたことがありました。降りたのは仙石線の野蒜駅。そこは、ホームと小さな駅舎だけのローカル線の駅でした。一人、ダンプカーがひっきりなしに通る県道を歩きました。大高森の展望台から、ぼけーっと半日、海を見ていました。結局、その日は誰とも話をしなかった覚えがあります。
 動画には、仙石線の駅舎が登場します。野蒜駅も出てきますが、それは、僕が降り立った駅ではありませんでした。東日本大震災で、このあたりは津波にのみ込まれ、全てが無くなりました。復興した仙石線は、内陸側に新しく敷き直され、駅舎も別な場所に建てられました。駅舎が不自然に新しいのは、そのためです。
 屈託ない初音ミクの歌を聴きながら、そんなことを考えていたら不覚にも、というわけです。
 僕が野蒜駅に降り立ったは1983年2月4日のことです。何で分かるのかというと、当時持ち歩いていたフィールドノートにスケッチがあって日付が書き込まれていたからです。

 先ほどのWinkの動画のOAは、1994年12月24日(土)だそうです。何で分かるかというと、Wink調査部員「ts」さんの書き込みがあったからです。
 「ts」さんは、YouTubeのWink動画にOAの日付を書き込むというファン活動をされています。紅白歌合戦みたいな番組ならともかく、30年近くも昔の歌番組でOAされた日を特定するというのは簡単なことではありません。アップ主さんにしても、拾った動画の再アップとなると日付など分からなくなっていることも多いようですし。
 「ts」さんは、番組を特定し、衣装やステージセット、MC、ランキングなどからおおよその時期を予想、ザ・テレビジョンなどの雑誌のバックナンバーや縮刷版新聞のテレビ欄を調べて特定するとのことです。バックナンバーを手に入れるために古本屋巡りをしたり、図書館通いもされているようです。テレビ欄というのは、必ずしも出演者全員が掲載されているわけでは無いので、Winkの人気が低迷するに従って、出演しているはずなのに記載が無いことが多くなっていくとのことでした。
 まるで弥生土器の編年作業みたいですが、時系列で視聴していくと、同じ楽曲でも、歌い方や振り付けが少しずつ変化しているのが分かるそうですよ。
 で、1994年の映像ということは、「純愛ラプソディ」が、まだ新曲だった頃です。画面に映っている19というのは、1994年の年間ランキングが19位だったということでしょうか。

 では、松浦亜弥さんのテイクになります。2つのうちのどちらかですけど、聞き比べてみて、こっちに即決しました。マニアックライブの5番です。開催日って、7月の何日でしたっけ?


 マニアックライブの5番、しかも白い衣装の公演って、あまり声が出ていないという先入観があって、動画を見ることもあまり無かったんですけど、これは良いと思いました。確かに歌は、イッパイイッパイな気がしますが、かえってイイ感じに熱唱しているように聞えますし、何より、ノッてる感が伝わってきます。お台場のテイクは、声は出ているのかもしれませんけど、心此処に有らずみたいなところがありますからね。
 自在って云うんでしょうか、スロー気味のテンポで、思いつくまま、好きなように歌っているように思います。ソロ歌手と気の知れたバックバンドだからこそできるパフォーマンスなんでしょう。

 「純愛ラプソディ」って、それほど好きな曲では無かったんですけど、三者三様のテイクを聴きながら、やっぱり名曲なのかなって思うようになりました。
 
 とくに、まとめも無く今日はお終いです。もともと無理のある組み合わせでしたからねw

 でも、相田翔子さんと松浦亜弥さんが同じ事務所というのが、全然ピンときません。まあ、大所帯ですから顔を合わせることも無いのでしょうけど・・・失礼しました。松浦亜弥さんは解雇・・・移籍されたんでしたね。松浦亜弥とWink、4月に活動再開するのは、どっち?・・・も無いのかなぁ。

2017年10月22日日曜日

Wink(ウインク)「トゥインクル トゥインクル」~再始動は叶わぬ夢なのか~

 WinkのYouTube動画は半端なく多い。ファンの間では、Winkの動画は削除されないと云われているようで、松浦亜弥さんと妙な共通点を持っていて面白い。個々の動画の視聴回数では松浦亜弥さんの方が多いが、動画の総数ではWinkの方が多いかもしれない。
 それと、「淋しい熱帯魚」のイメージが、後の歌手活動の足かせになってしまったと嘆くファンが多くって、これも松浦亜弥さんとの共通点である。まあ、「淋しい熱帯魚」の方が「めっちゃホリデー」よりずっとマシだと思うが。

 今回、取り上げさせていただくのは、1994年にリリースされたWinkの21枚目のシングル「トゥインクル トゥインクル」。Winkのシングルは全部で25枚だそうだから、作品としては最後期にあたる。
 作詞は「秋元康」、作曲・編曲は「ジェイムス下地」で、楽曲は、東京シティー競馬「トゥインクルレース」のCMソングに採用され、関東圏ではよく流されていたそうだが、CDの売り上げには、あまり結びつかなかったようである。
 それが、今年、「オリエンタルラジオ」と「ローラ」をイメージキャラクターに採用し、「相田翔子」さんのセルフカバー「Twinkle Twinkle 2017」として23年ぶりに復活したそうである。


 東京シティー競馬(TCK)は、地方競馬とはいえ東京23区が運営しているだけあって規模も大きく、CMに関してはJRAよりもセンスが良いかもしれない。僕は学生時代に、競馬場でアルバイトをしていたのだが・・・、その話は、今日はやめておこう。
 で、ビデオの中には、明らかにWinkをイメージした2人組のユニットが出てくる。一人かと思わせておいて後ろからもう一人、しかも向かって左側に現れるという演出が何とも意味深である。
 
 1994年当時のライブテイクは、これ。会場のファンが叫ぶ、ヤケ気味のPPPHが遠くから聞こえてくる。


 世間的には、Winkってまだやってたの、って頃だと思う。鈴木早智子さんがチーママっぽくなっているが、全然イケてると思うし、楽曲のイメージには、むしろ、こっちの方が合っている。

 歌っている時に限らず、演説でも演劇でも、演者が何処を見ているかって云うのは大事なことだ。この点で云えば、「あやや」というのは全く凄くって、彼女はデビュー間もない頃から視線が定まっている。彼女が観客を一人一人見ながら歌っていることは確実で、観客席のファンからすれば、ステージ上のアイドルと視線が合うってことは、この上も無い喜びなわけだから、「あやや」は、正に天性のアイドルなのである。
 そういう観点で云うと、Winkの二人は、アイドルとして合格点をあげられるものではない。口パクで愛想を振りまくことだけに専念している今時のアイドルは論外であるが、相田翔子さんは視線が完全に遠くに飛んでしまっているし、鈴木早智子さんの視線は明らかに泳いでいる。
 ところが、動画では、この早智子さんのクルクル動き回る瞳が、何とも可愛く思えるから不思議なものである。

  次は、相田翔子さん47歳のライブテイク。今年の6月に大井競馬場で開催されたイベントだそうだが、生で見たと云うファンの書き込みによると、正に奇跡のステージだったらしい。


 相田さんのマイクの持ち手が定まらないのが面白い。Wink時代、向かって右にいた相田さんは、振りに合わせてマイクを持ち変えることが多かったから、23年たってもその癖が抜けないのだろう。
 野外イベントのライブってのは、最高に歌い難い場だと思うのだが、リアルタイムで、このパフォーマンスは確かに奇跡だ。これで、再結成を期待しない方が無理というものだろう。8月に出た再結成報道は、明らかなフライングだったが、そんな期待が判断を誤らせたと云える。
 ホントに、この場に鈴木早智子さんがいないことが、残念でならない。ステージ裏から、二人で登場したときのインパクトを想像するだけでワクワクする。鈴木早智子の容姿とか歌唱力とかが、いかに劣化していようと、そんなことはどうでもいい。「トゥインクル トゥインクル」はWinkの楽曲だし、相田翔子と鈴木早智子がWinkだからだ。それ以上の理由など必要ないだろう。

 8月の報道を境に、相田さんの発言も変わる。それ以前は、「いつかまたやりたい」みたいなことを言ってたのに、一転して、慎重な言い方になってしまった。それでいて、二人が不仲で無いことをやたらと強調したりする。
 相田翔子さんは、「(再結成の)この話が2人の(早智子の)プレッシャーになっても困るから(そっとしておいて欲しい)」とも語っていた。再結成して欲しいと云うのは簡単だが、一度止まってしまったエンジンを掛け直すのには、想像以上のエネルギーが必要なのだろう。

 お終いは、フルコーラスで聴きたいという方のために、こちらのMVを。

 Winkの歌割りは、まず相田さんが歌って、それから早智子さんへという流れが定型になっている。早智子ファンからすれば、この「来るぞ・来るぞ」っていう妙な期待感が堪えられないようだ。


  やはり、再始動の話はあったのだ。それもかなり具体的に進んでいたのではないだろうか。それが突然消えてしまった。理由は分からないが、鈴木早智子が人前に出てこられない事情があったとしか思えない。悲しいことだがこれが現実ではないだろうか。だとすれば、もう再結成は有り得ない。

 もはや、相田翔子が歌っても、次に鈴木早智子が歌うことは無いのだ。

 再始動は叶わぬ夢・・・だったのか。

2017年10月20日金曜日

「22歳」谷村新司feat.松浦亜弥&初音ミク ~男歌・女歌~

 「22歳」は、言わずと知れた谷村新司さんの名曲です。歌詞の内容は女性目線なんですが、このように男が女性の歌、つまり「アタイはアンタが好きよ」みたいな詞を唄う楽曲って、演歌とか、フォークとか、ジャンルを問わずたくさんあります。
 演劇の世界では、歌舞伎の女形とかでしょうか、宝塚の男役などは逆の例ですよね。。
 ところが、バラエティでは、オカマキャラ、オネエキャラのタレントさんは活躍していますけど、オナベキャラのタレントさんって、あまり見かけません。オネエ言葉の利点は、毒舌をオブラートに包めるところだと思いますが、女性が男言葉を使って好感度を上げるというのは難しいみたいです。

 歌の世界に話を戻すと、女性が男目線の歌、つまり「オレはオマエが好きだ」みたいな詞を歌うのは、それほど多くないように思います。
 世の歌というものは、大部分が色恋の歌で、そして色恋に悩む姿がサマになるのは女性の方ですから、結果的に、女心を男が歌う機会が多くなるのでしょうか。

 聞くところによると、欧米などでは、異性の立場で歌うことは無いそうで、そう云う時には、人称を入れ替えたり、場合によっては、歌詞の内容を書き換えたりするそうです。松浦亜弥さんが「ホームにて」を歌うときに「僕」を「わたし」に変えていましたが、欧米では、それが当然のことみたいです。
 つまり、欧米では、男が「わたしをあなたのお嫁にしてね」みたいな歌詞をマジで歌うことは有り得なくって、谷村新司の「22歳」なんてのは、欧米人にとっては完全な異文化のようです。

 で、「22歳」を松浦亜弥さんがカバーすると云うことは、女性目線の歌を男性が唄っているのを女性がカバーしたわけで、整理すると、女性目線の歌を女性が唄うということになります。


 さすがですね。

 この時は、本当に22歳だったんですよね。22歳の女性の歌を22歳の女性の歌手が歌っているんですから、これ以上のリアルはありません。ってはずなんですけど、聴いているうちに、なんとなく物足りなさを感じてしまったんですよ。歌唱そのものは、完璧なはずなのにです。

 まあ、谷村新司氏のクドさに慣らされてしまったからだと思います。異性を演ずる場合、やり過ぎるくらいが丁度良いってなりますが、22歳の女性が、22歳の女性の歌を歌うってことは、歌詞と歌手がベッタリなわけで「白いシーツを巻き付け、背中でさよならの・・・」なんて詞は歌いにくいのかもしれません。
 もう1つ云うと、この歌って、男性から見て、女性はこうあって欲しいという願望を歌っていると思います。ですから、松浦亜弥さんがこの歌詞に共感しながら歌っているとは、とても思えないんですよね。

 結局、「22歳」は、男の歌なんだろうなって思った次第です。

 では、ボーカロイドカバーを。
 前回も貼り付けさせていただいた「のつP」さんの作品になります。まずは、初音ミクにこの曲を歌わせようと発想したことを尊敬したいと思います。


 ちょっとキツそうなんで、もう少し下げて歌わせたい気もしますけど、「のつP」さんの作品は、どれも伴奏が素敵なんですよね。もちろん調教もです。

 初音ミクの音声データは、人間の女声からサンプリングされたものですし、歌声にも若干の個性がありますから、似合う歌、合わない歌があります。
 でも、男歌・女歌という観点で云うと、あまり関係が無いように思います。さらに「小田和正」とか「玉置浩二」みたいに、女声でのカバーが難しいと思えるような楽曲も、それなりにカバーしてしまいます。
 云うまでもありませんが、松浦亜弥さんの歌唱より、初音ミクの方が秀でていると言っているわけではありません。初音ミクの歌は、聞き流されてしまうレベル。ただ、軽く聞き流せるというのも評価規準の1つでは、と思った次第です。
 ボーカロイドの歌唱は、歌っているのでなく演奏している、つまり歌声でなく音色だと考えれば、性差を感じないのも当然のことかもしれません。ボーカロイドの歌唱が、歌手の性差から超越しているのか、それとも、性差を表現できてないだけなのか、いずれにしても、特性の1つであることは確かだと思います。

2017年10月14日土曜日

「スローモーション」中森明菜feat.初音ミク

 「スローモーション」は、中森明菜のデビュー曲です。作詞・作曲は来生たかお、えつこの姉弟、編曲は船山基紀氏です。

 最近、この曲が注目されているみたいです。どうやら、 加納梨衣さんの「スローモーションをもう一度」というコミックが原因らしいです。80年代大好き高校生男女のラブ・コメディー漫画だそうです。心がホンワカするようなウルトラピュア・ラブストーリーだそうです。
 まるで「いちご白書をもう一度」みたいなネーミングですけど、80年代を代表する楽曲に、松田聖子さんの「青い珊瑚礁」とかじゃなくって、あまり知られていない「スローモーション」を持ってきたところがポイントですね。同じ中森明菜さんでも、「少女Aをもう一度」じゃあ、更生に失敗した女の子の物語みたいですし、おニャン子の「セーラー服を脱がさないでをもう一度」はヘンに誤解される恐れがあります。ちなみに「セカンドラブをもう一度」だと、2+1=3回目、それとも(1+1)×2=4回目の恋のどっち・・・ってどうでもいいですね。

 中森明菜さんがブレイクしたのは二曲目の「少女A」からで、これがデビュー曲と思っていた人も多かったように思います。リアル80年代では「スローモーション」は、それほど知られた楽曲ではありませんでした。ですから「スローモーション」は、80年代を代表する曲とは云えませんが、来生作品ってこともあって、80年代っぽい楽曲ではあります。

 当時、中森明菜ファンであった僕は、デビュー曲「スローモーション」と、ファーストアルバム一曲目の「あなたのポートレート」、この2つの来生作品が大好きでした。

 デビュー曲「スローモーション」は、二ヶ月後にリリースされたファーストアルバムの先行シングルカットという扱いだったそうです。しかも、海外レコーディング。アイドル系の歌手は、シングル版がメインで、ある程度曲がたまるとアルバムにまとめるみたいな感じでしたけど、このようにアルバムが中心ですよっていう形式をとっているのは、中森明菜をアルバムアーティスト系アイドル歌手として売り出そうとしていたからに他なりません。こういう子たちは、年間に何十曲ってレコーディングしたので、覚えるだけでも大変だったみたいです。でも、たくさん売りたければ、たくさん曲を出すってのは、コストはかかるでしょうが正攻法この上ないやり方です。後の世の、握手券を付けるとか、特典○○を付けるみたいなやりかたが、いかに音楽文化を破壊していったかということですね。

 で、中森明菜さんのYouTube動画って短命なんですけど、次々とアップされてくるんですよね。デビューから35年ですけど、今も熱いファンがたくさんいるということでしょう。


 ビックバンドの生伴奏、スクールメイツのお嬢さん、有線マイク、どれも古き良き昭和です。マイクを右手で持って、コードを弛ませて左手で持つ。昔は、アイドルだって、演歌歌手だって、みんなこうやって歌ったんですよ。
 そういえば、松浦亜弥さんも有線マイクを持って歌うときは、左右の違いはありますけど、ちゃんとこうやって持っていましたね。事務所の先輩の演歌歌手にでも教わったんでしょうか。

 しかし、これで16歳ですからね、デビュー曲ですからね。この20年後に松浦亜弥さんがデビューして、16歳の時に「めっっちゃほりでーーーー」とか歌っていたわけですから、アイドルも時代とともに随分変わっていったってことが分かります。
 今じゃあ、16歳の女の子が、ソロで生歌を生放送で披露するなんて、考えられなくなってしまいました。


 伴奏は、バンドマスターが自らのバンドに合わせて編曲していたので、ちょっとずつ異なるんですよね。あと、番組の進行が押してきて、マキが入ると、やたらテンポが早くなったりします。でも、出だしを間違えたりすると、さりげなくフォローなんてのもありました。 
 アイドルと云えど、歌番組では、真剣勝負の時代だったと思います。

 初音ミクカバーは、「のつP」さんの作品になります。「のつP」さんは、最近、精力的に投稿をされているボカロPさんです。僕の望んでいる曲を知っているんじゃないかってくらい、涙ものの作品を投稿してくれます。
 そういえば、初音ミクも16歳でした。


 キターッって感じでしょうか。中森明菜のボーカロイドカバーというのは、今までもいくつかあったんですけど、なかなか満足な作品に巡り会えなかったんですよ。
 歌っているときの息づかいなども伝わってきて、初音ミクの歌唱力も、ようやくここまで来たかって感じです。久しぶりに、初音ミクが人間で無いことを淋しく思いました。今回「スローモーション」の記事を投稿しようって気になったのも、このカバー作品があればこそです。
 
 できれば、インカムでなくって、有線マイクで歌わせて欲しかったところですけど、だったら、お前が作れってことになっても困りますから、今日はここまでにしておきます。

2017年10月9日月曜日

Wink(ウィンク)がTwinkle(光り輝く)した瞬間 ~解散のための復帰に思う~

 国民的女性アイドルユニットを並べると次のようになるそうです。

「キャンディーズ」「ピンクレディー」「おニャン子クラブ」「Wink」「SPEED」「モーニング娘。」「AKB48」・・・

 まあ、「おニャン子」が国民的かどうかは、若干の検討の余地を感じますが、各ユニットが被ること無く一列に並んでいます。
  国民的と云うからには、老若男女問わず支持されていたわけですが、それぞれメインターゲットといえるファン層を持っていたと思います。
 例えば「キャンディーズ」は男子大学生。「ピンクレディー」を支えていたのは小さな女の子。「おニャン子クラブ」は元祖ヲタクな男子高校生。「SPEED」は同年代の女子中学生と云ったところでしょうか。
 で、「Wink」は、女子高校生や若いOLと云われています。お人形のような素敵なお洋服に、ヲタクコールが入る隙の無い洋楽カバー。従来のアイドルに無いスタイルが、同年代の同性から支持されていたようです。

 Winkの楽曲群から感じるのは、選曲のセンスの良さです。それから、(原曲と聞き比べて分かったんですけど)ちゃんとWinkの曲として昇華しているんですよね。これに関しては、訳詞を担当した及川眠子さんや編曲の船山基紀氏の功績が大きいと思います。

 では、膨大なYouTube動画から、特に鈴木早智子さんが可愛いく歌っているテイクを、厳選して貼り付けさせていただきます。
 しかし、歌番組に出演する度に衣装を変えてくるだけでも凄いんですけど、どれも可愛く着こなしていて、まあ、こういうところも女性に人気があった理由の1つなんでしょう。

 まずは、3枚目のシングル「愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜」です。


 相田翔子さんの方が少し歌唱力があるので、歌割りは多め、鈴木早智子さんの方がダンスのスキルが少し高かったので、振りがちょびっと難しめになっています。
 タレントとしてのインパクトは、相田さんの方があったように思います。天然ボケキャラが売りの相田さんですが、当初から、ちょっと不思議な雰囲気を持っていましたね。相田翔子さんは、何度か歌手デビューの話があったそうですが、「早智子と二人だったらできそうな気がした」と語っています。
 早智子さんは、歌っているときの表情が良いですし、リズムのとりかたも可愛いくって、まあ、普通に素敵なタレントさんに思います。

 4枚目のシングル「涙をみせないで 〜Boys Don't Cry〜」です。ユーゴスラビアの音楽ユニット「ムーラン・ルージュ」の「Boys Don't Cry」のカバーだそうですよ。


 会場が一緒に歌っているんですけど、女の子たちなんですよね。ここまで黄色い声援が飛ぶ女性アイドルというのも記憶にありません。
 Winkは、もともとアイドル路線のタレントとしてデビューしたのでは無いと云われています。そのことが、かえって斬新なアイドルとしてブレイクすることになるわけですから、世の中、何がウケるか分かりません。
 彼女たちが、いわゆるアイドルのように歌いながら笑わないのは、歌の世界観に笑顔が必要なかっただけのことで、この「涙を見せないで」みたいなテイクでは、ちゃんと笑顔を見せてくれてます。
 そして、この時の、鈴木早智子さんは、最高に可愛いと思います。笑わなくても十分可愛いのですが、笑うとさらに可愛いです。
 
 5枚目のシングル「淋しい熱帯魚」です。これは洋楽カバーではありませんが、作詞が及川眠子さん、編曲が船山基紀氏と同じコンビですから、同一線上にあるような感じで、他の曲との違和感もありません。


 紅白出場時のテイクのようです。1989年においてワイド画面なのは、アナログハイビジョンの試験放送だからだそうです。30年近く前のテレビ映像が超高画質で鑑賞できるのは、この映像を高画質で録画してくれたファンがいたからこそで、貴重な動画と云えます。
 
 6枚目のシングル「One Night in Heaven~真夜中のエンジェル~」です。作詞:松本隆、作曲: スティーブ・リローニ、ダン・ナヴァーロ、編曲:船山基紀とありました。訳詞でなく作詞なんですよね。カバー曲かと思われがちですが、オリジナルなんだそうです。


 この歌の世界観。Winkの完成形と云われている楽曲ですね。
 
 以上4曲が、彼女たちの絶頂期の楽曲でしょうか。ファンの語るところでは、活動後期にも名曲と云うべき楽曲があるとのことですが、世間に知られているとなると、この4曲と次の「Sexy Music」までだと思います。「Sexy Music」は、「ノーランズ」のカバーで、「愛が、止まらない」の二匹目のドジョウ的な楽曲です。勢いのままにオリコン1位をとりますけど、イマイチ感は否定できません。「愛が、止まらない」の時は、明らかに原曲以上の魅力がありましたからね。

 Wink(ウインク)と云うユニット名は「キラキラ輝く」を意味するTwinkle(トゥインクル)からきていると云います。
 小さな事務所で、大きな後ろ盾もなくデビューした彼女たち。新曲のイベントをうっても、観客が1人2人ということもあって、二人並んで楽屋の壁を見つめながら、「もうやめようか」と話し合ったそうです。事務所が抱えていた借金は、すでに4,000万円を超えていて、個人経営の事務所にとっては限界にきていました。
 そんな時に、3枚目のシングルが突然のヒット。ザ・ベストテンの「今週のスポットライト」のコーナーに呼ばれたときは、スタイルストも付いていなかったといいます。
 そこからブレイクして、1年後にはレコード大賞を取ってしまうのですからね。賞取りレースは、事務所の力次第と揶揄されていた頃です(今でも?)。1989年のWinkは、文字通り「光り輝いて」いました。受賞には、レコード大賞は、その年に最も輝いていた歌手と楽曲に与えられるべきという、選考委員会の意地があったと云われています。

 急にブレイクしたことについては、かなりの戸惑いもあったようで、早智子さんは、次のように語っていました。
 「私も翔子も人見知りだし、レコーディングとライブ以外の仕事は正直いって苦手でした。気持ち的にもいっぱいいっぱいで、「いずれは人気が落ちて、人も周りからいなくなるんだろうな」なんて考えて、勝手に23歳で引退しようって思っていた時期もあったくらいです。」

 1996年の活動停止については、相田さんの移籍が理由とされています。落ち目になった東芝(事務所)が半導体部門(相田翔子)を売り渡したってところでしょうか。
 彼女たちは、売れなくなっても、ソロの仕事が中心になっても、Winkを解散する気持ちは無かったようですが、現実は厳しかったみたいです。結局、Winkは、解散する機会すら与えてもらえませんでした。
 しかし、このことによって、相田翔子さんは残りましたし、残ったからこそ、復帰話も現実味を帯びていると云えます。

 Winkの活動停止後の二人の対照的な芸能活動については、様々なところで、「勝ち組」「負け組」として語られています。鈴木早智子さんの「ASAYAN」でのヤラセ演出、過激な写真集、アダルトDVDなどについて、悪い大人に欺されたみたいな言い訳が通用するとも思えませんが、その後の、薬への依存、不倫騒動、金銭トラブルと、絵に描いたような転落人生を考えると、他人事ながら、やるせない気持ちになります。
 僕が、絶頂期の鈴木早智子さんに惹かれるのも、その後の彼女を知ってしまったからかもしれません。でも、決して、同情なんかじゃないんですよ。

「止まったままの時計を動かし、けじめをつけて終わりたい。」

 これが、今回の復帰報道の根底にある想いのようです。ただ、復帰には乗り越えるべき困難がたくさんあるみたいです。Winkを続ける想いが叶えられなかったように、Winkをやめる想いも、また、叶えられないまま終わってしまうのでしょうか。

2017年10月2日月曜日

Wink(ウィンク)「愛が止まらない」「淋しい熱帯魚」~美空ひばりを追い落とした伝説のアイドルユニット~

 Wink。

   来年は、デビュー30周年だそうで、22年振りの活動再開か、なんて云う噂が出ています。ライブだけでなく新曲も、という話もあるようです。報道によると、「けじめのため」だそうですから、ファンにさよならを言うために復活するってことでしょうか。

 YouTubeには、Winkの動画がたくさんアップされています。多くは、テレビの歌番組の録画ですが、ファンの方々の熱い想いが伝わってきます。VHSテープって、保存しておくだけでも大変でしょうからね。

 数あるテイクの中から、まずはこちらを。


 ザ・ベストテンですね。MCが酷いんですけど、画質がズバ抜けて綺麗なものですから、セレクトさせていただきました。

 Winkのデビューは、比較的遅くって、相田翔子さんが高校を卒業してからだそうです。鈴木早智子さんは1つ年上ですから、このときは、18歳と19歳ということになります。
 で、鈴木早智子さんって、こんなにも可愛かったんですね。びっくりしました。何より歌う表情が良いです。可愛さの中にも、儚さとか、艶めかしさを感じました。ファンにならなかったことを後悔しておりますw

 「Turn It Into Love」は、カイリー・ミノーグのデビュー・アルバム「ラッキー・ラヴ」に収録されていた楽曲です。カバー曲「愛が止まらない」は、Winkにとって3枚目のシングルで、最大のヒット曲になりました。カイリーもアイドル的な扱いでしたけど、Winkの2人とカイリーって同年代だったんですね。

 2つめは、ライブ動画。ファースト・ライブとのことですよ。


 生バンドライブですね。良い時代です。

 Winkのテイクって、同じ歌でも、いろんな衣装があるんですよね。ゴスロリって云うんでしょうか。どれも手が込んでて、お金かけていて、如何にもバブルって感じです。あと、特徴と云えば、振り付けが、二人で違っているところです。

 この曲に限らずWinkは、洋楽のカバーを歌うことが多かったんで、何となく軽く扱われていた覚えがあります。「淋しい熱帯魚」は、待ってましたって感じで、デビュー二年目ながら、レコード大賞受賞となるのですが、このときに賞を争ったのが、美空ひばりの「川の流れのように」だったと云うんですから、またもや驚きです。故人とはいえ、偉大なる歌手を押しのけての受賞ですからね。80年代は松田聖子に始まりWinkに終わると語られる所以です。

 洋楽カバーが中心だったWinkは、当初、レコード大賞とは無縁の存在と思われていました。しかし、ヒット曲を連発する彼女たちを無視するわけにもいかず、という流れでのノミネートであったと云われています。
 美空ひばりさんは、この年の6月に亡くなっています。故人が大賞を受賞するというのは、前例のないことでしたが、それを承知でノミネートしてるわけで、これで取れないとなれば「美空ひばり」に恥をかかせることになります。ですから、受賞は美空ひばりでほぼ決定、と思われていました。
 この年のWinkの大賞受賞は、その選考方法だけでなく、レコード大賞のありかたそのものが問われる大事件であったと云われています。
 
 「淋しい熱帯魚」は、売り上げこそ「愛が止まらない」に及びませんが、大賞受賞曲ですし、洋楽カバーでもありませんから、懐かしのメロディーなどでは、こちらの方が紹介されることが多いみたいです。

 レコード大賞のテイクです。これも高画質ですね。


 最後まで歌い切っちゃいましたね。Winkは笑わないアイドルと云われてましたけど、泣かないアイドルでもあったみたいです。
 あと、鈴木早智子さん、ホントに可愛いんですけど、中森明菜入ってませんか?
 
 デビューから8年でWinkは活動を休止。それぞれ事務所も変わって、ソロの活動を始めます。

 相田翔子さんの現在の事務所って、アップフロントだったんですね。相田さんは、今月の22日に、作詞作曲も手がけたソロアルバムの発表を受けて、ソロコンサートを開くそうです。(会場はもちろん、コットンクラブ)音楽活動の他にも、CMもありますし、司会、バラエティー、映画にも出演していて、芸能活動は順調のようです。
 早智子さんは、アダルト向けのDVDを発売して予約が20万枚なんて出ていましたけど、スキャンダルとか、金銭トラブルとか、いい話がありません。

 2人は、今も仲が良いみたいで、ラインで連絡を取り合ったりしているそうです。Winkの再結成についても、早智子さんの現状を憂う翔子さんから出てきた話と云われていますが、事務所にしてみれば、大きなリスクを負うわけで、再結成報道の後に、否定こそしないものの、慎重なコメントが出てくるのも致し方ないかと思います。
 
 お終いに、それぞれのソロテイクを貼り付けさせていただきます。


 この時、30歳くらいでしょうか。大人の歌が似合っていく素敵な時期を、無為に過ごしてしまったことが残念でなりません。


 1989年は、まさにWinkの年でした。しかし、Winkの紅白出場は、この年の1回だけ。この後も、コンスタントに音楽活動は続けていきますが、しだいに低迷していきます。そして、1996年に活動を休止。8年間でのシングル25曲、アルバム26枚とありました。

Winkは解散したわけでは無い。だからこそ、もう一度ステージに立って、けじめをつけたい。
さよならを云うための再結成。
そして、あまりにも対照的な2人の現状。

 今夜放送された「歌のゴールデンヒット」で、司会を務めていた相田さんですが、堺氏から再結成の話をふられたときも、言葉を濁していましたね。レコード大賞受賞時のVTRが流れてきたとき、涙を浮かべていたように見えたのは、気のせいでしょうか。